野田洋次郎とAwichが語る、RADWIMPS「SHIWAKUCHA feat. Awich」で炸裂させた、どん底からの叫び

野田洋次郎・Awich(Photo by Maciej Kucia, Styling by Masataka Hattori)野田:シャツ ¥52,800/BED j.w. FORD(BIRTHLY CO.,LTD. TEL:03-6432-9313)、Awich:ニット ¥56,100/Palm Angels(idea by SOSU TEL:03-3478-3480)

RADWIMPSの最新アルバム『FOREVER DAZE』がリリースされた。

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昨年メジャーデビュー15周年を迎え、ボーダーレス、ジャンルレスなコラボレーションや実験的な要素を散りばめ、それらを自然にまとめ上げている様はさすがの一言。なかでもインパクトを放っているのが「SHIWAKUCHA feat. Awich」。野田洋次郎とラッパーのAwichによるリリックの応酬と、野田いわく「0か100かみたいな清々しい気持ち」が投影されたかのような深遠なサウンド。アルバム・タイトルの『FOREVER DAZE』には“永遠の揺らめき”という意味があるそうだが、両者の揺らめく感情を捉えた一曲になっている。今回、Rolling Stone Japanでは野田とAwichにインタビューを実施。2人の友情にフォーカスしつつ、そのコラボレーションの裏側に迫った。

—野田さんがAwichさんと出会ったのって、いつ頃ですか?

野田:4年前ぐらいにSOIL & "PIMP" SESSIONSのライブではじめて会って、そこからクラブとかでもよく会う仲になったんです。で、YENTOWNのみんなともすごく仲良くなっていって。実は3年前の『ANTI ANTI GENERATION』のアルバムの時に何かやろうって声をかけてて、でも締め切りギリギリのタイミングだったのでお互いやりたいことをやるにはちょっと急な感じがあって。だったらじっくりやろうかって、その時はやらなかったんです。今回、3年越しにようやく。

Awich:もともといろんなおしゃべりをする仲だったんですけど、そのなかでお互いの悩みとか悔しいと思ってることを共有した時に、私たちと同じようにそういうことを思ってる人たちに対しての応援歌をつくろうって提案してもらって。私も思うことはあったから、もちろんですってつくることになりましたね。

■RADWIMPS「SHIWAKUCHA feat.Awich」ミュージックビデオ



—伝えたいことが明確にあった。

野田:けっこう明確でしたね。どうしても煮え切らないというか、どう消化していけばいいんだろうみたいな出来事がいろいろ起きた時期があって。Awichと俺も共通で思うことがいっぱいあったから、同じ空気感をともに生きてきた。だったらこの悔しさというか歯がゆさみたいなのを曲にしようってなったんです。それで自分が先に一番のヴァースとサビを渡したら、もうこれ、私ラップ乗せたいですって言ってくれたので、頼む!って。

Awich:ふふ(笑)。

野田:ツアーとかでめちゃくちゃ忙しかったと思うんですけど、ボイスメモとかでそのまま生の声を送ってくれて。それでもう、最高!って感じでした。

Awich:最初は歌う感じだったところに、私ラップしていいですか、みたいな。

野田:そうそう。最初は俺が歌のフレーズの二番をつくってて、もしよかったらこれで歌ってくれないかなって言ってたんですけど。

Awich:もちろんそれもめちゃくちゃよかったし、光栄なんですけど、この曲のテーマに関しては、私ラッパーとしてもちょっと言いたいことがあるからラップをさせてくれないかってお願いして。逆に「え、時間あるの? 大丈夫なの?」ってね(笑)。

野田:本当に?みたいな(笑)。

Awich:マジ頑張るんでちょっと待っててくださいって。

—野田さん的には、いろんな曲を集めてRADWIMPSのアルバムをつくる中で、その一つの要素として今回のような曲も入れたいなって考えてたんですか?

野田:いや、その時は考えてなくて、この気持ちを消化したいって思いの方が強かったです。すごい瞬発力でできた気がして。

Awich:うん。確かに。

野田:1〜2日でわーって書き殴って、それをポンって渡した気がして。普段作品をつくる時はもっとじっくり、いろんな角度からその曲を煮沸かして、一個一個精密につくり上げていくんですけど、この曲はどっちかっていうと生の剥き出しの感じっていうか。でき上がってみたらすごく鮮度を持った曲だなと思ったし、狙ってつくれるものじゃないんで、アルバムの一つの顔になるな、と思って。不思議なハマり方をしましたね。

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