降幡 愛が語る、独りよがりなラブソングにならない理由

降幡 愛(Courtesy of Purple One Star/バンダイナムコアーツ)



アーティストとしていろいろな発見があった「東から西へ」

—「東から西へ」の歌詞には“かなしみ”ってワードが繰り返し出てきますけど、最後の“つよく、つよく、生きるのだから”がとても心に残ります。

降幡:「東から西へ」は映画主題歌ってこともあったので、自分が書きたいものというよりはその作品に対するアプローチをうまく自分の中で表現できるかってことを大事にしました。今までは悲恋歌みたいなものは書いてたんですけど、そうじゃないアプローチで書かなきゃってことは、この「東から西へ」で特に思ってたことです。明日への希望の光みたいなものを、今までの作風じゃないところで書かなきゃなとは思ってました。



—歌詞を完成させるのは大変でしたか?

降幡:そうですね。最初は映画観終わった方たちにあなたはどう思いますか?って問う歌詞だったので。その歌詞を加門(幾生)監督にお渡ししたときに、もっと希望を与えられるような、あったかい歌詞がいいです、ってオーダーをいただいて今の形になったので、最初にできたものとは180度違う内容なんです。でも、映画の試写で初めて「東から西へ」を聴いたとき、これでよかったって思えました。映画にすごく溶け込んだ曲がつくれたなって。

—これまでの降幡さんの曲の中では、異色な感じですよね。

降幡:だいぶ異色です。羽田で初披露して、これまでの自分とはまた違った歌い方や表現ができて、ライブでこういう表現もできるんだって発見にもなりましたし、アーティストデビューから1年経ってのリリースで、いいタイミングでいろいろ気づかされた曲です。

—サウンドも弦楽器の響きが美しくて、ビートも柔らかい。

降幡:チェロも生楽器で、音の温かさは本間さんも追求していたと思います。これまでの曲でチェロは使っていなくて、今回は音数も少ないし、曲調もバラードで、自分の中では難関でした(笑)。

—これまでの曲とはアプローチが全然違うけど、80年代っぽさも何となくありますよね。

降幡:そうですね。80年代って括りで語るなら歌謡曲寄りというか。いろんなサウンドがあってもいいと思います。

—「サンセットに忍ばせて」の歌詞は降幡節で、この曲はどういうところから書いていったんですか?

降幡:今回のシングル収録曲は、まず「東から西へ」があって、次に「ネオ・イルミネーション」があって、この曲は最後につくった曲なんです。3曲通してどういうテーマにしようか考えたときに、日が昇って落ちるところまでは「東から西へ」「ネオ・イルミネーション」で書けたから、次は夕陽だと思って「サンセット」って言葉が思いついて、そこから書き始めました。夕焼けに自分の想いを乗せて、夕陽が沈む。自分っぽいものを書こうと思って、恋愛要素や強い女性、怒りをテーマに書いた感じです。怒りを静めるというか。

—冒頭の“心のバランスが崩れ”って掴みにハッとさせられるというか。曲のフックになってると感じたんですけど、そこには怒りが起因してるんですね。

降幡:コロナ禍になってみなさんいろんなストレスを抱えてると思うんです。発散できないやり場のない怒りは少なからず自分にもあると思うので、そういうものを書きました。大人の女性の怒りというか、静かに怒ってる。今だから書けるのかなって部分もちょっとあります。

—そういう話って本間さんに歌詞を渡すときに話したりするんですか?

降幡:歌詞の話はあまりしないですね。レコーディングのときにちょっとおしゃべるするタイミングで、会話の延長線上で話すくらい。歌詞の内容について熱弁することはないです。

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