岡村靖幸『靖幸』、当時のプロモーターと岡村ワールドについて語る



田家:『靖幸』の4曲目「友人のふり」。西岡さんが選ばれた3曲目。この曲は?

西岡:岡村くんと言えばファンキーなナンバーもそうですけど、切ないバラードが必ずアルバムの中に何曲か入ってますが、このアルバムの中でも至極のバラードと言いますか。メロディアスであり、切ないとか、いろいろなものを感じさせる良いバラードだなと思いまして、好きな曲です。

田家:アルバムの中で1番素の感じがしますもんね。この曲もやっぱり歌詞に惹かれまして、〈でもいつでも僕 君の味方さ〉、〈岩場のデッキチェアーで 君のリボンに見とれてたら 僕の指を噛んだのは何故?〉。これ拍手ですよね。この一行。うわー色っぽいなと思って。

西岡:これは何からインスパイアされたのかな。

田家:岡村さんがビートルズと松田聖子とプリンスの三角形の中に僕がいるというのがヒントになって、あらためて聴いていたら、松本隆さんが作詞した松田聖子さんにこういうフレーズが結構ある。君のリボンに見とれてる。そしたら君が僕の指を噛んだ。僕の指を噛んだのがなぜ? これは松本隆ですよ(笑)。

西岡:その通りですね(笑)。 僕も松田聖子は担当していて、デビューから「赤いスイートピー」までが僕の担当だったんですけど。そういう意味では岡村くんが松田聖子を好きだというのは僕にとってもすごくうれしいことで、彼に影響がちょっとでもあったんだなと思って、当時うれしかったですね。

田家:この曲の中で〈あんまりもてなかった方だし 臆病で正直じゃないから〉。これは自画像なのかなと(笑)。

西岡:彼はなかなか自分で言い出せなかったり、告白できなかったり、思っていてもなかなか自分で言ったりできないところはあったみたいで。それをこういう新曲にして訴えていたんだと思います。

田家:綺麗なストリングスだなと思ったのですが、これは清水信之さんが手がけられていましたね。福田さんはこの曲についてどう思われました?

福田:繰り返しになっちゃうんですけど、彼のピュアな目線。もともと持っているピュアな感覚をそのまま表しているのと、まさに青春映画のワンシーンですよ。

田家:主演映画があったんですってね。

福田:『Peach』ですね。

田家:『Peach どんなことをしてほしいのぼくに』。このメインテーマが「友人のふり」だったと。この映画は今観ることはできますか?

福田:観れますけど、何年か前にDVD BOXを作って入れたんですけど、完売状態なんです。

Rolling Stone Japan 編集部

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