☆Taku Takahashiが語るblock.fmの10年間、これからの展望

―2011年に、block.fmを立ち上げられた経緯から教えていただけますか?

10年前、世界的におもしろい音楽が日本にたくさんあるのに、専門的に紹介されているラジオ番組がなかったんです。いろいろなラジオ局とお話をしたんですけど、当時のラジオ業界も、そのあたりに力を入れられる状況ではなくて。だったら自分で始めようと思い、名前は明かさずMySpaceで始めたのが、TCY Radio Tokyoという海賊ラジオでした。アーティストの皆さんにもゲストで来てもらったりしていたんですけど、このまま自分たちだけでやっていても広がりがないなと思って、ちゃんとメディアにしようと始めたのがきっかけです。

―block.fmという名前にした由来は?

個性あるアーティストやDJ たちが集まる場所を作って、積み木みたいにみんなでお城を作れたらいいなと思ったんです。最初は「tsumiki fm」にしようと思っていたんですけど、ちょっと違う響きがいいなと思っていたとき、VERBALから「block.fmにすれば?」と言われて、それいいね!ってなったんです。ブロックを積み上げていくという意味や、New Kids on The Blockっていう「近所からすげえ面白いやつが出てきたきた」って言葉があったり、ブロックパーティーとかブロックバスターって言葉もある。ニッチなものでも、いろんな個性を持った人たちが集まることによって、一つのムーブメントになりうる体験を自分が何度かしていたので、そういった部分を名前にも出したいなと思って決めたんです。

―影響を受けたり、モデルケースにしているラジオ局や番組はあったんでしょうか。

BBCです。イギリスの国営放送の放送局ですけど、同時にインターネット放送もしている。海外って日本と違って、普通に局のホームページに行ったら番組が聞けちゃうんですね。しかもリージョンとか関係なく。例えば、現場のDJたちが曲を紹介する「ダンスミュージックマラソン」って番組をやっていて、英語がわかる人は楽しめるし、音楽自体を楽しむことはできる。ただ、日本語で説明する番組だったり報道局があっていいなと思って。BBCの影響はめちゃくちゃ大きいです。

―block.fmで流す音楽は基本ダンスミュージックであるところから始まったんですね。

海外の人たちって、週末にクラブに行って楽しむのがライフスタイルなんです。逆に月曜から金曜までは、ラジオでクラブでかかってる音楽がいっぱい流れている。日本でも毎日そういった音楽が聞ける状況を作りたいと思っていたんです。平日は音楽を家で楽しんで、週末はクラブで楽しむ。それが当初のコンセプトでした。それを前提に、自分たちがかけたいものしかかけないルールをずっと保っていて。アーティストが一番かけたい、聞きたい、知ってもらいたい音楽を新旧問わずかけるというルールでやっていました。ただ、いまはクラブサウンドがポップスに入ってきているのも多いし、懐メロを聞きたいとか、今ハマっているものは、アニソンだろうがなんだろうが、かけたいものを発信してもらうことにすごくこだわっています。

Rolling Stone Japan 編集部

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