ASKAが大事にする「プライド」とは?-ところで、ASKAさん自身の、今の活動の中での“プライド”って何だと思いますか?難しいですね。やっぱり音楽活動をするにおいて、自分がやったことに対しての反応は必要だし、敏感にならなきゃいけない部分だと思うんです。でも、その反応を得るために活動するのは違います。そこだけは、これから先も間違えちゃいけないと思っている部分です。若い頃は、反応がすべてだったんです。それをセルフプロデュースと言うならば、ちゃんとプロデュースしていたんでしょう。でも、今はそこに引っ張られすぎないことがプロデュースだと思っていて、自分が何をやりたいのか、どう在りたいのか、ということだけを考えるようにしています。
-リアクションありきではなく、表現ありきでいたいと。ここまで色々お話を聞いてきましたが、89年のアルバムの中の「PRIDE」という楽曲が、今新たな形で表出してきたというのは、この時代に何かを突きつけられている感じがして、面白いなと思いました。自分1人でやっていたら、「PRIDE」をこのタイミングでシングルにしようなんて考えなかったでしょうね。当時も、この曲はあくまでアルバムの核を担う曲であって、どんなに人気があってもアルバムから切り離そうとは思いませんでした。人との出会いがリリースになりましたからね。YouTubeのコメントに「初めて聴いた」なんて方も、いや、そんな世代の方のコメントを見ました。シングルの使命を果たしてくれたと思っています。あとは、出すからには、ちゃんと露出してみんなの前で歌いたいですね。特にこの曲はそうしなきゃいけないと思っています。
―それだけ満を持してのリリースだと。ちなみに、カップリングの「I feel so good」はどういった曲なんですか? 「PRIDE」のカップリングとなると、選曲が難しそうだなと思ったのですが。「PRIDE」をシングルにしてしまったからには、カップリング曲が必要だろうということで。まぁ今の時代、1曲だけリリースも出来るんですけどね。「I feel so good」は次のアルバムの中に入る1曲として作ったもので、真新しい曲ということのプレッシャーは大きいんですが、“今これを聴かせたい”という曲に仕上がったので、入れることにしました。
-新旧のASKAさんが1枚の中にいるわけですね。さて、来年1月には待望のツアー「ASKA premium concert tour-higher ground-アンコール公演」がスタートしますが、本来は今年の10月に始まる予定だったものを延期されたんですよね。何か以前のプランと変わったところはありますか?特には変わらないです。僕とバンドとストリングスという形のままやります。
-逆に言うと、前回それだけ素晴らしいパフォーマンスが出来ていたということでしょうか。はい。その自負はあります。あらためて前回の映像を見ながら振り返っても、すごく完成度の高いライブだったなと思います。それでも当然、同じスタイルで2回目となると、(前回を)超えなきゃいけないという責務はあります。そのためにこういうのをやりたい、というのは考えてはいます。同じことはやりません。
-“超える”というのは、ASKAさんの中でどんなイメージなんですか?これがアルバムだとすれば、新しいものが前と同じヴォルテージと温度で出来上がったら、それは“前作を超えた”ということになるんです。その温度をずっと維持するというのは簡単なことではないので。大体冷めていきますからね。ただ、それが今回のライブに関してはそうじゃなくて、本当に“あのライブより良かった”って言わせないと、同じ形態で2回目をやる意味がないですからね。だから、さてどの角度でどう取り組んでいこうかというところです。
-それはすごく大変なチャレンジじゃないですか? やっぱりオーディエンスもしばらくライブに行かない時間が長かったと思うので、みんな“おっかなびっくり”な状況でしょうし。そうでしょうね。“今年の忘年会どうしますか?”っていう街頭インタビューでも“今年までは止めておきます”っていう風潮ですし。(コロナ禍が)明けたとしても1月のライブも本当に大丈夫なのかという不安はあると思うので。だから、今回はもうしょうがないですよ。もちろんビジネス的には動員とかいろいろ考えないといけないでしょうけど、僕個人としてはこの時にこういうことをやったという自分の中のメモリーとして、さらに前回より良いライブをやって、後で“なんであのときに観に行かなかったんだろう“と思わせればいいんだと思っています。
-もはや、今アーティストができることはそれに尽きる気がします。それともう1つ、そういう判断が出来たのはツアー中にライブ配信をやるからというのもあります。諸事情でまだ外へ出られないというお客さんも多くいらっしゃるでしょうし、それならオンラインライブにしてしまえば良いじゃないかと。まだ詳細は未定ですが、何カ所か配信ができればと思っています。
-それは今の時期はありがたいです。しかし、前回と同じコンセプト・同じスタイルで、敢えて目新しさで勝負しないところがASKAさんらしいです。どういうアプローチになるかはまだ分からないですけど、前回はイントロダクションから何かを予感させるような始まりだったので、今回も入り口からこだわった形にしていきたいなとは思っています。
-楽しみにしています。もうすぐ今年も終わりますが、来年はどういった活動をしていく予定ですか?来年の前半くらいにはアルバムを出して、それから夏に向けてあちこちに顔を出してみようかな。
-フェスみたいなイベントとか?そうですね。ちょっと今までに無い動きになるかもしれません。
<INFORMATION>
「PRIDE」
ASKA
DADA label
発売中
収録曲
1. PRIDE
2. I feel so good
●ハイレゾ音源&通常音源配信サイト
e-nkyo「Weare」
https://www.e-onkyo.com/music/album/ddlb0019/●通常音源配信サイト
iTunes Store
https://music.apple.com/jp/album/1587647741?app=itunesamazon music
https://www.amazon.co.jp/dp/B09H49399Wmora
http://mora.jp/package/43000033/PA00091383-0-1/レコチョク
https://recochoku.jp/album/A1018860697●ストリーミングサイト
Apple Music、Spotify、Amazon Music、YouTube Music、LINE MUSIC、AWA ほか
Apple Music
https://music.apple.com/jp/album/id1587647741Spotify
https://open.spotify.com/album/1X1RwPXaZeKXkIcRB6ASQ2Amazon Music
https://music.amazon.co.jp/albums/B09H49399WYouTube Music
https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mnGqyMx3Ajj73nFczqGeN1e0jjw7KQvyILINE MUSIC
https://music.line.me/webapp/album/mb00000000023dd3b4AWA
https://s.awa.fm/album/704e20d346dc0f3c4450?t=1632906042●ツアー特設サイト
https://www.classics-festival.com/rc/aska-premium-concert-tour-higher-ground-2021/●ASKA Official Site「Fellows」
https://www.fellows.tokyo