DEAN FUJIOKAが語る、コロナ禍以降の“突然変異”

―「One Last Sweet Talk」では1stアルバム収録の「Sweet Talk」を大橋トリオさんがリアレンジしています。

大橋トリオさんとは、自分がパーソナリティを務めるラジオでご一緒させていただいたときに「何か一緒にできたらいいですね」という話をしていて、今回アレンジをしてもらいました。もちろん、新しい曲を作るのもいいんですけど、タイムレスなものを作りたいという気持ちがより強くあって。1stのときに「Sweet Talk」という楽曲を作ったときは、なし崩し的にこれしかできなかったからああなった、みたいなところがあったんですよね。これから先の未来に連れて行きたいと思ったので、この曲を生まれ変わらせたくて、その過程を大橋トリオさんと歩んだ感じですね。

―新曲の「Spin The Planet」はポジティブなメッセージを感じました。どんなコンセプトで書いた曲でしょうか。

生き物同士の関係性をダブルミーニングにして作った曲です。SDGsじゃないですけど、地球も生命体じゃないですか? 地球も人も傷つくし、でも生きている。どうやってその傷と付き合って前に進んでいくかということですよね。この曲を作ったときが、ちょうど映画「Pure Japanese」の撮影期間中で、日光ロケで山籠もりをしていて。宿泊先の畳の上から、日光名物の霧で隠れた山、森を見ながらこの曲を作ったんです。それもあって、ちょっとenvironmentally friendly (エンバイロンメンタリー・フレンドリー = 環境にやさしい)な感じになったのかなって思います。

―映画「Pure Japanese」が曲作りにもかなり関係しているようですね。映画はどんな内容になっていますか?



現代社会に於いて日本人の定義は何なのか?というところからスタートした映画です。というのも今、DNA的には両親が日本人でも、海外で生まれ育って国籍も使う言語も日本じゃない人って普通にいるじゃないですか? 逆に両親は日本人じゃないけど日本で生まれ育って日本語を母国語として使うもいる。それが普通な時代になったときに、「何を以って日本人という定義になるのかな?」って考えたんですけど、やっぱり“日本語人(にほんごびと)”だなと思ったんです。今、こうやってコミュニケーションで自分の行動や思考のOSとして日本語を使っていますけど、このOSがじつは何かのクラウドみたいな得体のしれない存在だとして、独自の意思、目的を持って言語OSのDNAを伝えるために、我々人間1人1人を乗り物として使っているとしたら、どうなんだろうっていうところから企画を作り始めて、それをもとに映画を作ったんです。文化の輪郭を浮き彫りにする方法っていろいろあると思うんですけど、暴力ってある意味信仰みたいなものと結びつくところがあるから、すごくわかりやすいなと思ってアクション映画にしました。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE