DEAN FUJIOKAが語る、コロナ禍以降の“突然変異”

―コミュニケーションするために言語OSとして日本語を使っているというのは面白い発想ですね。その感覚ってやっぱりDEANさんが海外でも活動してきた方だからなのかなと思うんですよ。今回のアルバムでは、アーティスト写真やジャケットといったアートワークでもDEANさんのアイデンティティが表現されているように感じました。

ありがとうございます。今回のグラフィックに関しては、ロシアの構成主義、ロシア・アヴァンギャルドをコンセプトに、ツアーのグッズも含めて作っていきました。ツアーでは、会場1つ1つを変異させていく"Musical Transmute"というコンセプトを会場に入った瞬間に感じてもらわないといけないので、どうやったら1つずつ趣の違う会場の空気を整えられるかを考えたときに、ストラヴィンスキーの曲でプレイリストを作って客入れのBGMにしたんです。食事で言うと、それで舌を整えてもらうみたいな(笑)

―なるほど(笑)。会場に足を踏み入れた瞬間から"Musical Transmute"のコンセプトを味わっているという。

そうですね。アルバムのグラフィックに関してもそういうものがあるんです。今回のアルバムが何故3パターン違うジャケット(初回限定盤A『Transmute (Trinity)』初回限定盤B『Transmute (Lucaism)』、通常盤『Transmute (Epigenesis)』)になっているかというと、『Transmute』は爆発的な細胞レベルの変化だと思って作っているので、ゲノムとかDNAとかをすごく意識しました。先天的なDNAが持つ、生物の形を作るための設計図と同じぐらい、生命が大きな影響を受けるのは、後天的な環境の影響や、加齢による変化だったりするんです。そういう後天的な遺伝子レベルの変化を言葉でいうと「Epigenesis」(エピジェネシス/後成説)と言うんですけど、自分が人間として生きていて、身体中で「Epigenesis」を浴びて経験している状態のことを指しています。「Lucaism」(ルカイズム/共通祖先)に関しては、生物には共通の祖先というものがいるのではないかということで、1つの細胞がジャケットで表現されています。「Trinity」(トリニティ/ 3)のグラフィックに関しては、3枚目のアルバムで且つ3つのジャケットのパターンということもあって、自分の子どもたち3人をベースにしてMADSAKI君に作ってもらいました。

―3枚それぞれのジャケットの印象が全く違うのはそういう理由なんですね。

これは逆から遡ってリリースしているのがミソで、本当だったら細胞1つから恐竜になって哺乳類が生まれて、みたいになると思うんですよ(笑)。でも、未来を象徴した自分の子どもたちから始まって、自分という後成説「Epigenesis」を体験している1つの肉体の存在があって、元を辿ると1つの生命体「Lucaism」からみんな生まれているっていう流れがいいなと思ったので、一番最初に『Transmute (Trinity)』を先行配信リリースしたんです(10月29日に12曲入りのデジタルアルバムとして先行配信リリースされた)。そうやって、ツアー、リリースまわりが重層的に流れていくのが面白いなと思っています。

―2021年も終わりに近づいていますが、来年以降はどんな活動をお考えですか?

パフォーマンス・シアターアーツという意味では、今まで運動会みたいなアプローチでしか見せることができないのかなと思い込んでいたような場所で、その空間を全部使って1つの物語を作りたいなという気持ちがあります。音源に関しては、「とにかく良い音楽を作り続ける、以上」という感じですね(笑)。映像に関しては、今も作り続けているので、自主IP企画みたいなものも引き続きやっていきたいですね。



<リリース情報>



DEAN FUJIOKA
3rdアルバム『Transmute』

発売日:2021年12月8日(水)
https://www.deanfujioka.net/transmute/
【Musical Transmute “The Trinity”キャンペーン実施中!】
参加した方の中から豪華商品が当たるキャンペーンをお見逃しなく。
https://www.deanfujioka.net/musicaltransmute/thetrinity/
=収録曲=
1. Hiragana
2. Spin The Planet
3. Neo Dimension
4. Plan B
5. Sayonara
6. Missing Piece
7. Sukima
8. History Maker 2021
9. Follow Me
10. Runaway
(フジテレビ系⽊曜劇場『推しの王⼦様』挿⼊歌/ FOD スピンオフドラマ「ぼくの推しは王⼦様」主題歌
全⼒脱⼒タイムズEDテーマ(8-9⽉))
11. Scenario
12. Take Over
(⽇本テレビ系「スッキリ」3⽉テーマソング)
13. Searching For The Ghost
(フジテレビ系ドラマ「シャーロック」オープニングテーマ)
14. Go The Distance - JP Ver.
15. Made In JPN
(テレビ朝⽇系「サタデーステーション」「サンデーステーション」エンディングテーマ)
16. One Last Sweet Talk
17. Shelly
(フジテレビ系ドラマ「シャーロック」主題歌)
18. Sekken
【CD】
初回限定盤A:『Transmute』(Trinity) / CD+DVD LPジャケット仕様
DEAN FUJIOKA 1st Asia Tour 2019
“Born To Make History” 2019.3.30 @NHK Hall(※全楽曲収録予定)
価格:6600円(税込)
品番:AZZS-118
初回限定盤B:『Transmute』(Lucaism) /CD+DVDデジパック三方背仕様
アルバム「Transmute」に込められた想いや制作の舞台裏、真相に迫る
全国ホールツアー「DEAN FUJIOKA ”Musical Transmute”Tour 2021」初⽇までを追ったドキュメンタリー
The Journal of Transmutation
Plan B - Music Video
Runaway - Music Video
Runaway - Behind The Scenes
Fukushima - Lyric Video
Sakura - Lyric Video
価格:6600円(税込)
品番:AZZS-119
通常盤:『Transmute』(Epigenesis)/CD+DVD
DVD:昨年末に行われた初のストリーミングライブ「Plan B」のライブ映像を全曲収録
価格:5500(税込)
品番:AZZS-120
※商品の内容は、予告なく変更になる場合がございます。

<ライブ情報>

「DEAN FUJIOKA "Musical Transmute" Tour 2021」

https://www.deanfujioka.net/musicaltransmute
2021年12月18日(土)東京・LINE CUBE SHIBUYA
2021年12月19日(日)東京・LINE CUBE SHIBUYA
2021年12月25日(土)大阪・オリックス劇場
2021年12月26日(日)大阪・オリックス劇場

DEAN FUJIOKA Official Site:http://www.deanfujioka.net

Rolling Stone Japan 編集部

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