―1曲目の「Tokyo Girl」で飛行機が飛び立つ音から始まることもあって、10代から今に至るAKIRAさんの物語で一枚になっている印象を受けます。AKIRA:たぶん「こういうテーマでやろう」って最初に作った曲が「Tokyo Girl」だったと思います。詞を書いてたら旅立つ感じの曲になったので、飛行機の音をつけて「いくぞ!」っていう曲にしようと思ってましたし、ストーリー性をつけていこうというのは話してました。
―2曲目の「Whatever Gets You Thru the Night」はジョン・レノンからこの曲を選ぶのは意外な気がしますけど、ストーリー性を考えたら夜中に飛行機が着いてアメリカにやってきたみたいにも聴こえます。AKIRA:うん、そうですね。そういうイメージがあったから2曲目にしました。
KOZZY:この曲のオリジナルはジョン・レノンとエルトン・ジョンとのデュエットで、もともとデモテープだったらしくて、半分ぐらいしか録ってないんですよね。たぶん、繰り返し分はテープでくっつけて、回転数も後から速くしているんだと思います。リハのテープだから、ベースなんかめちゃくちゃ間違ってるんだけど、ジョン・レノンが「そのときの空気が大事なんだから直すな」って言ってそのまま使ってるらしいんですよ。
―AKIRAさんは、こういう話を小さい頃から聴いて育ってきたわけですね。
KOZZY:そういうことです。嫌になるほど
(笑)。
AKIRA:そうそう
(笑)。この曲は、実際に夜中にその場のノリで歌いました。カバーはラヴェンダーズでいろいろやってきたんですけど、その中でもこの曲は歌うのがむずかしかったですね。結構頑張りました。
―でも、英語が話せるAKIRAさんだからこそ、出だしの“Whatever Gets You Thru the Night”という歌詞が淀みなく歌えるんじゃないですか。KOZZY:そうなんですよね。自分が歌うときは、慣れ親しんだ曲でも歌詞カードを見ると英語がむずかしくて避けてきた部分もあったんですけど、それを歌ってくれるならやりたい曲はたくさんあるからっていうのも、今回カバーを入れた理由でもありました。
―ハモリはAKIRAさんが自分で重ねてるんですよね?AKIRA:そうです。裏でKOZZYさんがガヤを入れてますけど
(笑)。歌はマイク1本を2人で囲んで録ったんです。
KOZZY:そこは音的なこだわりというか、昔のレコードはそうやって作られているし、僕のレコーディングでもいつもそうやって作っているので。なるべくそういう風に録るようにしています。