AKIRA with THE ROCKSVILLEがロックンロールをアップデートする理由

―今回、親子ながら作りながらお互いを知るみたいなこともあったわけですか?

KOZZY:まあ、スタジオに入って作業するときは、ほぼ親子であることは考えないですね。僕は声を出してくれるアーティストだと思ってやってるし、そうじゃないとわざわざ時間を作ってやらないと思うんですよ。その中で、自分が表現したいもののボーカリストとしてAKIRAがいて、自分が思っているように歌ってもらって、それを受けて僕はどうするかっていうキャッチボールは、他のミュージシャンたちとやってることとなんら変わりはないです。僕がギターを弾いてトラックを作ってAKIRAがボーカルを入れた後に、「これはやっぱりAKIRAが弾いてくれない?」って、自分のギターと差し替えたりもしています。だから、アコースティックギターに関してはほとんどAKIRAに弾いてもらいました。AKIRAの歌にグルーヴを入れるには本人のアコースティックギターの良い感じの揺れがあった方がいいなって。カルフォルニアに憧れて想像して弾くのと、実際に暮らしていた人間が弾く本当にゆるいギターとは違いますからね(笑)

AKIRA:
「この曲、アコギ1本にするから」って言われて、大丈夫ならそれでいいですけどって(笑)

―プロデューサーとしてAKIRAのボーカル、ギターを聴いたときに、だいぶ成長は感じたんじゃないですか?

KOZZY:もちろんそれはありました。自分の要望もあるから、重ねてもなかなかOKを出さないときもあるけど、逆にAKIRAが「もうちょっとやりたいな」というときでも、「いや、これでいいんじゃないかな」っていう良いころ合いがあると思うんです。そこは以前よりも高い次元でやれたなという気持ちはあります。

―今回改めて聴いてみて、特徴のあるボーカリストだと思いましたし、Xmasソングの方でも聴けるモータウン調の華やかなアレンジにすごく映える声だなと感じました。ご自身では以前と変わったところってありましたか?

AKIRA:ありがとうございます。ラヴェンダーズの2ndアルバムを出してからだいぶ時間が経っているので、ライブで知ってくれた人も少なからずいてくれて、たぶん周りの期待値も上がっていると思うのでプレッシャーはありました。そんな中で、自分が好きないろんなボーカリストの歌を聴いて参考にしながら、でも自分が持っている声でできるものを研究してました。この2年間ぐらいはコロナ禍でライブもできなくて、歌う機会が少なくて普通の人の歌になっちゃっていたので、レコーディングで「もうちょっとこうやって歌えたかも」って思うところもあったり、それはいつまでも満足できないと思うんです。でもそこは聴いてくれる人のためにも、自分のためにも常にアップデートし続けていたいと思うし、すごく意識していました。

Rolling Stone Japan 編集部

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