ローリングストーン誌が選ぶ、2021年の年間ベスト・アルバム50選

Photo by Louis Browne; Ebru Yildiz; Kelia Anne MacCluskey; Charlotte Rutherford

米ローリングストーン誌が2021年の年間ベスト・アルバムTOP50を発表。アデルの勇敢な復活、ラウ・アレハンドロの予想外のブレイク、リル・ナズ・Xによるウィニングランまで、今年の音楽界を牽引したアルバムをランキング形式で振り返る。

【一気にチェック】2021年の年間ベスト・アルバム上位10作

2021年、音楽シーンは話題が満載だった。アデルやビリー・アイリッシュ、リル・ナズ・Xといったスーパースターたちはみな内面を深く掘り下げたアルバムをひっさげて足固めをした。それら特大リリースが業界の期待に応えた一方で、今年は嬉しいサプライズにも溢れた一年だった。我が道を行くラップ界の先見者、タイラー・ザ・クリエイターは自分史上もっとも研ぎ澄まされたパフォーマンスで世界と折り合いをつけ、ジャパニーズ・ブレックファーストのミシェル・ザウナーはアナログな夢想家から未来志向のニューウェイブ系マキシマリストに転身した。そして、最大の驚きはオリヴィア・ロドリゴだ。どこからともなく(ディズニー・チャンネルから)現れて、定番入り間違いなしのデビューアルバム『Sour』をひっさげ、アルバムチャートの常識を覆した。

物語風の楽曲がギターと同じくらい強く響くインディー界のシンガーソングライター(ルーシー・ダッカス、スネイル・メイル)、スペイン語圏から生まれたポップ合成マシン(アフロキューバン・ヒップホップのフュージョニストCimafunk、全方向性のレゲトン・ショウマンことラウ・アレハンドロ)にとっても最高の一年だった。おそらくもっともエキサヒティングだったのは、いまだ変化し続ける世界のヒップホップ/R&B/グライム/アフロビーツから流れ着いた、真実を語る女性たちの秀作が相次いでリリースされたことだ(ジャズミン・サリヴァン、ピンクパンサレス、ドーン・リチャード、リトル・シムズ、Temsなど他多数)。フー・ファイターズや(80年代メタル・キッズのお待ちかね)アイアン・メイデンといったベテラン勢も至極の逸品を送り込み、かつてないほど聴き逃せない楽曲が目白押しだった。

Translated by Akiko Kato

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