中嶋ユキノが語る、浜田省吾との出会いと波乱万丈の下積み時代

-ユキノさんの人生も楽曲たちも花開いたアルバムなんですね。

「ソニーミュージックからメジャーデビューしたい」と10代の頃に思い描いていたんですけど、その夢を20代を越えて30代で叶えることが出来たので、それも含めて本当に嬉しかったですね。

-そして、2021年。ユキノさんはまたひとつの夢を叶えます。今回のニューシングル『ギターケースの中の僕』がNHK「みんなのうた」に起用されました。決まったときはどんな気持ちになりました?

子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで老若男女が歌える曲を作る。これはずっと私の目標になっていて、だから「みんなのうた」を絶対に歌いたいと思っていたんです。「みんなのうた」はテレビで流れて、それがのちに合唱曲になったりすることもあるじゃないですか。私自身、小学校の合唱団に入っていて【NHK全国学校音楽コンクール】で歌ったこともあったので、そういう場で歌われる楽曲は人の心にずっと残っていくことを実感しているんですよね。なので、今回、私の『ギターケースの中の僕』がNHK「みんなのうた」に起用してもらえたことは、本当に念願だったから嬉しくて仕方ないんです!

-どんな想いやイメージを描きながら完成させた楽曲なんですか?

今回のインタビューでお話させて頂いた通り、いろんなことがあった人生なので、自分自身のことも書いてみようと思って「道」というテーマを念頭に置いたんです。それで「この道の先に 何が待っているだろう」と、夢を描いていく道の曲として制作したのが『ギターケースの中の僕』で。「みんなのうた」って子供向けに書き下ろすことが多いと思うんですけど、私の場合は自分もここからずっと歌い続けていけるような楽曲にしたかったんですよね。このインタビューを読んだ上で聴いて頂くと、すべて中嶋のロードストーリーのように感じられるかもしれませんが(笑)、2Aの「向かい風吹いて 倒れそうになったり 突然の強い雨に 打たれもするだろう 誰かの言葉で 心がすり減ったら そう 初めの一歩を 思い返してみるよ」というフレーズに私のいちばんの想いを込めていて。

-なるほど。

私は「諦めたい、諦めたい」となってしまったこともあるんですけど、結局は「歌で生きていくんだ」という想いを必ず思い出して、その度に前に進んでいくことが出来たんですよね。誰もが夢を追いかけている中できっと苦しくなることってあると思うんですけど、その夢を追いたいと思ったときの自分って超純粋だったはずなんです。その純粋な部分が何よりも大切だと思って、こういう歌詞を書かせて頂きました。

-実際、誰もが共感できる楽曲になっていると思います。

歌ってすごく不思議で、そのときの自分の感情や過去の経験とリンクした瞬間に共感が生まれるじゃないですか。なので、この『ギターケースの中の僕』を、学校やいろんな施設や、いろんな会で歌っていただきたいんです。文字通り「みんなのうた」になってほしいんですよね。

Rolling Stone Japan 編集部

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