錦鯉が語る、ブレない生き様「漫才には一生かけて恩返しする」

ーまずは2年連続の『M-1』決勝進出、おめでとうございます!

長谷川雅紀(以下、長谷川):ありがとうございます! なんとか……行けました。

ー他のコンビもランジャタイ、モグライダー、真空ジェシカなど、ずっと地下で一緒に戦ってきた顔ぶれですよね。「なかの芸能小劇場」がそのまま地上波にやってきたというか。

渡辺隆(以下、渡辺):1000円で観れるメンツですよ(笑)。

長谷川:ビックリしましたよね。今回の決勝進出者9組を予想できた人っているのかな?

渡辺:ホントにそうで、有力候補に目された芸人たちが残っていないですからね。



ーそのいっぽうで、敗者復活戦のラインナップがえげつないことになっていて。

長谷川:敗者復活の方でもう1個『M-1』できるって言われてるくらい豪華ですよね。

渡辺:決勝より視聴率よかったらどうすんの?って感じですよ(苦笑)。

ー実際のところ、準決勝でも「これ行ったな!」っていう手応えはあったんじゃないですか?

長谷川:正直、手応えはなかった……というより、わからなかったですね。やることはやれたし、お客さんにもウケてたとは思います。でも他のコンビの様子も見られなかったし、全組爆笑だったという話を聞いていたので、結果がどう転んでもおかしくないかなって。

渡辺:僕らのできる限りという意味では手応えありましたけど、それこそ雅紀さんが言ったようにマジで全組ウケていたんで……。あんな良いライブは他にないんじゃないかと思いますよ(笑)。

ー今年は東京のライブビューイングが開催されなかったこともあり、当日はTwitterからの現場レポートだけが頼りでした。

渡辺:お客さんにとっては最高のライブだったかもしれないけど、出ている僕らにとってはもうヒヤヒヤしかなかったです。

長谷川:でも、出場した芸人はみんな同じ気持ちだったんじゃないですかね?

ー2020年の決勝は9番手でしたけど、いつまでも笑御籤(えみくじ)で引かれないから、待機ルームの光景が『そろそろ にちようチャップリン』のスタジオかと思いましたよ(笑)。

長谷川:アッハッハ!!

渡辺:ウエストランドと僕らだけポツンと残っててね(笑)。

ー今年は何番手だったら良いなって思いますか?

長谷川:僕は5番目より前がいいなって。まあ僕らならトップバッターでも大丈夫かな。2020年はファーストラウンドで敗退だったから、暫定ボックスにすら行けなかったんですよね。

渡辺:普通、4位って座れてる順位じゃないですか。後半に札が引かれるとそういうこともあるし、最終的にはもう何番手だろうと優勝するしかないんですよ。



ーお2人が所属するSMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)は、『キングオブコント』(2012年のバイきんぐ)と『R-1グランプリ』(2016年のハリウッドザコシショウ、2017年のアキラ100%)でチャンピオンを輩出しているので、錦鯉さんが『M-1』を獲ったら最強の事務所になるかもしれませんよね。

渡辺:そうなんですよ。それもオリンピック・イヤーにSMAからチャンピオンが生まれていて、去年はコロナ禍でオリンピックが開催されなかったから、僕らも優勝を逃したのかなって(笑)。だから今年はイレギュラー的に優勝できねえかなって思っています。楽しみで仕方ないですよ。

ー決勝当日にやるネタって、ギリギリで変える可能性もあるんですか?

長谷川:今まさに考え中ではあるんですけど、去年マヂカルラブリーがファーストラウンド直前で「つり革」から「フレンチ」のネタに急遽変えたって言ってたじゃないですか?あんなこと僕らはできないと思うし。

渡辺:まあホントかどうかはわからないですけどね(笑)。あの2人のことですから。

ー2020年は絶対に「パチンコ台」のネタをやるって決めていたそうですね。

長谷川:そうですね、去年はその一択しかないなって思ってました。前のコンビのウケ具合によってネタを変えるなんて、1ミリも考えてなかったです。

ーところで、M-1の予選を勝ち進んでいく中で、特に気になった芸人はいますか?

長谷川:今回はじめて知ったんですけど、ダウ90000は面白いなあって。出番終わってから検索して、普段やられている舞台のコントとかもYouTubeで何本か見ちゃいましたもん。なんかワクワクしますよね。東ブクロ(さらば青春の光)のラジオにもゲストで呼ばれていて。



ー主宰の蓮見翔さんは、東京03、かが屋、虹の黄昏にも脚本を書き下ろしてますね。錦鯉さんは2019年の『キングオブコント』で準々決勝に進出されてましたし、コントの脚本をオファーしてみてはいかがですか。

長谷川:いやいやいや、恐れ多いですよ(笑)。最近はなかなかコントをやる機会もないですからね。

ー渡辺さんはいかがですか?

渡辺:僕、他の芸人のネタあんまり見ないんですよね(笑)。『M-1』期間なんかは特に、影響されちゃうと良くないかなと思って。でもモグライダーは面白かったですよね、地下でずっと一緒にやってきたコンビですけど、「やっぱおもしれーなあ」って再確認しました。

ーツッコミの芝大輔さんは男前ですし、平場のトークも回せますもんね。

渡辺:スゴイっすよ、あいつは。

長谷川:恐ろしいですよね。メイプル超合金のカズレーザーも、「俺らはモグライダー芝さん待ちだから」って言ってたじゃないですか?お笑い界の勢力図が変わるんじゃないかっていう期待感もあります。


※ゆにばーす川瀬名人がモグライダー芝について語るのは17分頃から

Rolling Stone Japan 編集部

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