原田珠々華が語る、不安の中でも“光”を見失わず歌い続ける理由

―その間の多くがコロナ禍と重なってしまったわけですが、どんな思いで過ごしていましたか。

もともとは、人と違うことがしたいと思って芸能を始めたんですけど、いざこの歳になると、人と違うことをしているからこそ、将来がとても不安で。みんなが就職とかインターンとか、そういうことを言ってると、「自分は大丈夫だろうか?」ということが現実味を帯びてきて。今まで夢だったことが本当に明日のことみたいになっているので、とにかく不安な感情が大きかったですね。それと、私だけじゃなくて、他のアーティストの方もそうだったと思うんですけど、ライブができないとなると、「自分はただ普通の人間なんだな」って気分が落ち込むことが多くて。ただ、私は「もっとやらなきゃ」とか、自分を追い込んだり生き急ぐようなところがあるので、コロナ禍でライブがストップして、自分を見つめ直す期間ができたのは個人的にはすごくよかったのかなと思います。

―そういうご自分と向き合って、落としどころは見つかったんですか?

結局、自分が足を止めたら終わってしまうものなので、自分の原点回帰というか、星野源さんがコンスタントにやっていた配信ライブとかを見たりとか、「自分はこういう音楽をやりたくてやってるんだな」ということを思い出したりしてました。

―原田さんの中で、音楽の原体験で強く残っているものってありますか?

神聖かまってちゃんの「ロックンロールは鳴り止まないっ」という曲がすごく好きで。この前、気分が落ち込んでいたときに、大学に行く電車の中でたまたまシャッフルで流れてきて、本当に泣いちゃいそうになって。ずっと鳴りやまないものがあるっていうか、その鳴りやまないものが止まってしまったらそれこそ終わりだと思うんですけど、そういうものが自分の中で鳴り続けているから、自分も今歌いたいと思っているんだなって思いました。

Rolling Stone Japan 編集部

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