原田珠々華が語る、不安の中でも“光”を見失わず歌い続ける理由

―今作には、そういったここ数年の思いも反映されているんじゃないかと思いますが、タイトルの『光の行方』は最後の曲「光合成」からとっているんですか?

一番わかりやすく光について歌っているのは「光合成」なんですけど、全体を通しても光に通じるものがあるんじゃないかなと思っていて。直接的に光について歌っていなくても、希望が光に例えられたりとか。不安定な光だからこそ、絶対行きつく先があると思っているんです。全部通して聴いたときに、一番合っている言葉は『光の行方』なのかなと思いました。

―「光合成」はどんな思いで書いた曲ですか。

ちょっと気分が落ち込んでいるときに書いた曲です。コロナ禍で、SNSを見るときに自分と同い年とか同世代の人がどんどん先に有名になっていくのを見ていて、「自分は何ができるんだろう?」ということを見つめ直していて、何を発信していけばいいかわからなくなってSNSも止まってしまっていたんです。だけど、「自分は良い曲を書いて行くのみなんだな」って思ってツイートをしたんです。そのときに思いついて書いた曲で、歌詞を全部書いたときに、これは「光合成」というタイトルが合うかなと思いました。

―まさに “私だけ取り残されたような日々”という歌詞に葛藤や自問自答が表れていますよね。この曲を含めてミニアルバムとして1枚にする上では、どんなことを考えて5曲を並べたんですか。

この作品を作るために曲を作っていったわけじゃなくて、本当にライブでやっていた曲を集めたものがたまたま1つにまとまっていたという感じです。「こういうことを歌いたい」とか、「こういうことを伝えたいからこういう曲を書こう」というのがすごく苦手で、自分から出てくるものを素直に書いたら、「こういうものが書きたかったんだな」って気付くみたいな感じが多いんです。なので、そのときそのときの感情を書いていったら、この5曲になりました。「わたしに着替えて」以外は、全部ライブで披露している曲です。

Rolling Stone Japan 編集部

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