PassCodeが「史上最大の危機」を乗り越え、武道館に夢を繋いだツアーファイナル

PassCode「“STRIVE” for BUDOKAN Tour 2021 Final」ライブ写真(Photo by Shingo Tamai)

2022年2月12日に、いよいよ自身初となる日本武道館公演開催を控えるPassCodeが、メジャー3rdアルバム『STRIVE』を掲げた全国ツアー「”STRIVE” for BUDOKAN Tour 2021」を閉幕。阿刀 “DA” 大志による、ツアーファイナル・Zepp Tokyo公演のライブレポをお届けする。ちなみにPassCodeは、本日12月22日に新体制初のライブDVD/BLU-RAY『PassCode Zepp Tour 2021 at Zepp Haneda』をリリース。そちらもぜひチェックしてみてほしい。

PassCodeにとって2021年はグループ史上最大の危機を迎えた年だった。メンバーの新型コロナウィルス感染に伴う度重なる公演延期、長年の体調不良の末に決断した今田夢菜のグループ勇退、Zeppツアー開始約3週間前に発表された新メンバー・有馬えみりの加入、そして多くのファンが不安視するなか始まった大規模ツアー――今年2月に「PassCode "STRIVE" for BUDOKAN Tour 2021」が始まった頃には誰もが想像しなかった出来事が続いた。しかし、彼女たちは強かった。周りの想像以上に強靭な精神を持ち、これまでとは別の形でグループをパワーアップさせるという信じられないことを成し遂げた。

12月16日にZepp Tokyoにて開催された「PassCode "STRIVE" for BUDOKAN Tour 2021」ファイナル公演はそんな彼女たちの総決算であり、来年2月に開催される日本武道館公演と、その先に待つ輝かしい未来への期待が膨らむ内容だった。




Photo by Shingo Tamai

事務所の後輩・Kolokolが新規ファンをがっつり獲得する素晴らしいパフォーマンスでフロアを温めたあとに4人は登場。オープニングナンバー「SPARK IGNITION」から「ATLAS」「Stealth Haze」とこのツアー定番の流れで攻め立てる。「定番」と書いたものの、新メンバー有馬が「"STRIVE" for BUDOKAN Tour」に参加するのはこれが初めて。実は、本ツアーのセミファイナルにあたるのは、今田が勇退し、有馬が加入する前に3人編成で行った8月の新潟公演だったのである。今年、PassCodeは3つの異なる編成でライブを行っており、これがPassCodeというグループを以前にも増して強固な集合体にした。

そんな彼女たちだからこそ、とんでもないことを平気でする。この日、1年前にリリースしたアルバム『STRIVE』の収録曲で唯一パフォーマンスしていなかった「Majestic」を、このファイナルというタイミングで初披露したのである。今年、彼女たちは十分に戦った。己と戦った。不満の声、不安の声と戦った。だからこそ、このファイナル公演を迎えられただけでも素晴らしいと言いたい。しかし、PassCodeはステージを重ねるたびに自分たちを包み込むようになった温かな空気には甘えず、そのときにできる最大限を見せ続けた。たしかに大変な一年だった。しかし、ステージに立つ者としてのプライドが最も顕著に表れたのが<2021年>というPassCodeの大きな転換点となる年だったのである。

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