モー娘。小田さくらが語りつくす、武道館コンサートの裏側とこれからの話

モーニング娘。’21の小田さくら(Photo by Rika Tomomatsu)

2021年12月13日に東京・日本武道館で開催されたモーニング娘。’21佐藤優樹の卒業コンサート。グループの単独公演は2年ぶり。新型コロナウイルス感染予防対策がとられた上で約6000人を動員し、ライブの模様はひかりTVにて生配信され、全国47都道府県の映画館と台湾、香港、計137スクリーンにて行なわれたライブビューイングには3万3000人を超える人数が参加した。異例とも言える状況の中で、メンバーの小田さくらは何を考え、何を感じたのだろうか。

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—武道館コンサート、今振り返ってみて率直な感想は?

小田:当日気にしなきゃいけないことがすごく多かったので、まずはちゃんとできたな、よしよし、っていうのが最初の手応えです。1ツアー分頭に入れるのがとにかく久しぶりで、1ツアー分の動きを覚えるってどうやってたんだろう?っていうのに加えて、今回のステージ形状がセンターステージで、そこに3段階の段差があり、それを1階・2階・3階って呼び分けていたんです。更にそこから四方にステージがA・B・C・Dと延びていて、計5つのステージ全てで場位置を覚えるのがとにかく大変でした。リハーサルの時はメンバーみんな切羽詰まっていたんですけど、私はやってみると何も困ることなく、意外と能力は落ちてないなって。ちょっとずつ間違えて覚えるパターンもあるんですけど、自分はまず不安を感じないように努力したというか。あと場位置を書いた歌詞カードを見ながら動くこともできるんですけど、手放すって決めて覚えると早く頭に入るんです。そうやって追い込みながらリハーサルをやりました。いかに早く場位置を頭に入れて歌詞カードを手放すかに集中して、不安を感じないためにどうやって挑めばいいのかってところから頑張りました。

その結果、意外と大丈夫でした。当日のあるあるとして楽しくなっちゃったとか、お客さんが見てる分表情とか、いつもより気にすることが増えたせいでポーンと飛ぶことがあるんですけど、そういうことが起きることもわかっていたので、リハーサルから表情もしっかり作ってたし、やることも決めていたので。今回は佐藤優樹さんの卒業公演で、佐藤さんはフィーリングで動く方なんですけど、それとは逆で私は割と、決めて決めて計算し切ったものを出せたかなって感じです。本番はできてるできてるって思いながら、リハーサルでは笑ってなかったところで笑ってたりすることもあったんですけど、やっぱり自分が頭の中で決めていったものを出せてよかったなぁって、それが楽しかったなって思います。

—成果を出すためには準備が大事だと。

小田:はい。リハーサルでは鏡の前で一人で表情を作ってみたり、その時は恥ずかしいですけど、そうやっていたものが今になって「あの瞬間の小田ちゃんがいい」とか言っていただくのを聞くと、やってよかったなって思います。私はぶっつけ本番じゃできない人なので、練習した甲斐があったなと

ー自分のマインドをどう整えて本番まで持っていったんですか?

小田:そもそもこの2年間の沸々としたものが大きくあったんです。ハロー!プロジェクトで、OCHA NORMAはデビューを控えているところですけど、それ以外の5グループが活動している中で、なぜうちだけが2年間単独ライブがなかったのかすごくモヤモヤしていて。Juice=Juiceはその間に武道館と横アリのステージに立って、アンジュルムは2回武道館をやって、BEYOOOOONDSは舞台を2つやったし、フェスにも出てた。で、つばきファクトリーも武道館に行って……っていう経過を見てる中で、なんで私たちだけ何にもできないんだ?って気持ちをずっと持ってたんです。つんく♂さんの歌詞でもよくある、悔しいとか羨ましいとか、そういう嫉妬心が今回のコンサートのバネになってました。

で、2年待ったからには、モーニング娘。が一番凄いんだと思わせるのが当然だと思っていて。2年待たなくても、モーニング娘。がハロー!プロジェクトで一番だと思っているし、そうでなきゃいけないと思っていますし、私はやっぱりハローの中でモーニング娘。が一番好き。他のグループも全部好きだけど、モーニング娘。がやっぱりカッコいいなって思うので、それを見せられればいいって信じてきました。それができるメンバーだし、この2年の間にみんなめちゃめちゃ成長したってことも信じているから、特に不安はなかったです。モーニング娘。はゼロから自分たちで築いてきた看板じゃないって言われることもわかってますし、でもそれを背負ってキープしていくことのありがたみを感じ続けること、だからこそ一番になる事が当然だってことも、当たり前のように思い続けて、リハーサルしてました。

—モーニング娘。’21推しとしては、今の小田さんの言葉は、モーニング娘。を推しててよかった、最高!という気持ちになりました。小田さんのそういう考え方って後輩たちにも伝えたりするんですか?

小田:私がそう思ってることは多分みんな知ってると思うんですけど、私から強要はしないです。そう思いなさいって言ったこともないですし、それぞれ思ってることが違うからグループだと思うので。私はみんなのことを勝手に信じているだけで、みんなに、私の期待に応えて欲しいとは思ってないです。各々、自分のペースで頑張って欲しい。そこで不安を感じている子はもちろんいますし、他のグループの誰々ちゃんの方がカッコいいって思ってる人はいっぱいいると思いますし、私ももちろん、他のグループの一人ひとり
と戦って全員に勝てるかって言われたらそうは思わないですけど、そうじゃなく、私の感覚として当たり前にモーニング娘。が一番カッコいいって感覚が強くあるので。でもみんなはみんなで、不安だからこそいずれ乗り越えるでしょうし、いま私が、こう思えばラクだよとか、大丈夫だからそんなに心配しなくていいよとか言うものでもないのかなって。不安な気持ちも大事なのかなとは思ってるので。

でも今回は先生とかマネージャーさんからもそういう話がありました。モーニング娘。を一番にしたい人たちがいっぱいいる。そういう人たちに支えられてやっているリハーサルだからね、って。モーニング娘。’21全員が、久しぶりに長時間みんなで集まったから楽しくなっちゃって、リハの雰囲気がふわっとしたタイミングがあったんです。その時にそういう話をされて。それを聞いて私のようにうれしいって思った人もいれば、そういう人がいるんだ、ちゃんとしなきゃってドキッとした人もいるでしょうし、そんなことないんだけどそれをプレッシャーに感じた人も多分いると思います。けど各々の気持ちがあるから、14人がいる意味があるなぁと思ってます。

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