「セックス・アンド・ザ・シティ」俳優による性的暴行被害、女性たちの新証言

「どこまでならOKか試そうと、ベタベタ触ってきた感じでした」

だがKnickerbockerを訪れた中でも、ニーナさんの記憶の中でとくに際立っていることがある。2014年1月のとある夜、ニーナさんは従兄とその友人と3人でバーに立ち寄った。しばらくするとノースが女性連れで来店した(ノースは2012年にThe Cutting Roomのバーテンダーだったタラ・ウィルソンさんと結婚したが、その晩ノースが連れていたのが彼女だったかどうか、ニーナさんは覚えていなかった)。ニーナさんによれば、彼らは会話に加わった。「どういうわけか彼は海賊(のまねごと)をして、私のスカーフで海賊の帽子を作ろうとしました」とニーナさんはローリングストーン誌に語った。

その時彼はスカーフを受け取ろうと歩み寄り、彼女がスカーフを外す間もなく、彼女に近づいて自分でスカーフをほどこうとしたそうだ。「はた目には、彼が酔っ払ってよろめいたように思ったかもしれません。でも酔っ払いがよろめいた感じじゃありませんでした。酔っ払ってよろめいたにしても、相手の胸に触ったりはしません」

ニーナさんによれば、その出来事が続いたのは10~15秒ほどで、全員が酒を飲んでいたという。当時は軽く受け流したが、今振り返ってみれば、彼に触られたことに不快感を覚えるそうだ。「彼はどこまでならOKか試そうと、ベタベタ触ってきた感じでした」。ニーナさんはその夜に撮った写真をローリングストーン誌に見せてくれたが、そこには格子柄のスカーフを頭の上で結んでカメラに向かってウインクするノースの姿が写っていた。ノースとの出来事があったことで、性的暴行の「ニュースを見ても驚きませんでした」とニーナさんは言う。

同じころ、The Cutting Roomでバーテンダーをしていたホリーさんもノースから不快な思いをさせられた。ホリーさんによれば、1999年の創業以来共同オーナーを務めていたノースは、しばしば店内で女性スタッフに色目を使う姿を目撃されており、「いけすかない男」として有名だった。そしてある晩、彼女も身をもって体験することになったという。

「私ともう1人のバーテンダーは、カウンター越しに彼とふざけ合っていました」と、ホリーさんはローリングストーン誌に語った。途中でホリーさんは休憩のためにカウンターから出て、視界の端にノースの姿をとらえた。彼が彼女の腰に両手を回し、シャツ越しに手を這わせてきたのはその時だったそうだ。

「私は彼(ノース)に『ふざけてるの?』というような、面食らった顔をしました」とホリーさん。すると彼は引き下がったそうだ。彼女はその夜バーテンダーとしてノースを給仕していたので、彼が無理やり迫ってくる前に少なくとも数杯飲んでいたことを知っていた。こうした出来事はこの時1度きりだったという。「後で彼の方を見ると、彼は視線を逸らしました」

Translated by Akiko Kato

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