「セックス・アンド・ザ・シティ」俳優による性的暴行被害、女性たちの新証言

The Cutting Roomの共同オーナーは疑惑を否定

ホリーさんの主張に対し、ローリングストーンからコメントを求められたThe Cutting Roomの共同オーナーのスティーヴ・ウォルターさんは、そうした出来事が「起きたはずがありません。もし起きていたなら、苦情を受け取っていたはずです。あまりにも多くのゴシップが飛び交っていますから、眉唾ものですね」と電話で答えた。その後メールで送られてきた追加の声明文には、「私はThe Cutting Roomのオーナーとして、開業以来ほぼ毎日店にいますが、クリスがこうした疑惑のようなことをした姿を見たこともなければ、話を聞いたことも、苦情を受け取ったこともありません」と書かれていた。The Cutting Roomのチーフ・バーテンダーを務めるヘザー・リティアさんもローリングストーン誌にこのような声明を寄せた。「クリスとは9年来の付き合いですが、彼が不適切な行為をした姿は1度たりとも見ていませんし、誰からも彼に対する苦情は上がっていません。私たちは非常に仲の良いファミリーです。そうした行為があったのなら気づいていたはずです」

ホリーさんの当時の恋人も、彼女から事件について聞かされたことを認めた。「彼女はとても動揺して、不適切だと言っていました。自分は騙された、蔑ろにされたと感じていました」。その夜The Cutting Roomで勤務していなかった同僚は、ノースの不適切な行為のすぐ後にホリーさんから電話を受けた。「彼女が一部始終を話してくれたのを覚えています。彼女はすごく取り乱していました。とてもショックを受けていました」と、その友人はローリングストーン誌に語った。「カウンターを出ると彼につかまれた、見るからに動揺しているのを見て彼は止めた、と言っていました」。またこの友人は、ホリーさんがその後何日も何週間も、彼女がいう事件についてバツの悪い思いをしていたことも覚えていた。

ノースとの出来事があったからこそ、ホリーさんはゾーイ・リスター・ジョーンズとリリーの告発を聞いた時、2人が真実を語っていると信じたそうだ。「2人の言うことを完全に信じています」とホリーさん。

一方でホリーさんとニーナさんは、ノースに対する疑惑の数々の中で自分たちの体験がどういう位置づけになるのだろうかと悩んでいる。ノースに性的暴行を受けたとメディアに名乗り出た4人の女性に加え、『セックス・アンド・ザ・シティ』でクリスティン・デイヴィスの代役を務めた女優のヘザー・クリスティンの主張によれば、ノースは一度「背中からお尻に手を這わせ」、その後撮影クルーの前で、別のキャストの代役を「縛り上げて、さるぐつわして、俺のトレーラーに連れてこい」と冗談を言ったとみられる(ノースの代理人は「『セックス・アンド・ザ・シティ』の撮影現場で、ノースが不適切な行為をしたという苦情は1件もなかった」とハリウッド・リポーター誌に語っている)。女優で監督のゾーイ・リスター・ジョーンズは最近Instagramでノースを「性的加害者」と呼び、『ロー&オーダー』の撮影現場で不適切な行為を受けたと主張した。ホリーさんとニーナさん、そして他の女性たちの体験は、知名度を利用して礼節を欠く一連の行動パターンと合致するように思われる。「なぜこんな風に触られなくちゃいけないの?」と、ニーナさんもかつて思い悩んでいた。「ふつう誰もしないでしょう。何様のつもりなの?」

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from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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