デイヴィッド・リー・ロスが引退公演キャンセル、彼は「太ったエルヴィス」で終わるのか?

近年のデイヴに対する辛辣な評価

デイヴはステージ上に「ヴァン・ヘイレン」という名前の人物がいなくても、ヴァン・ヘイレンの曲を正確に再現できる優れたバンドを結成したが、多くのファンや評論家は、彼の歌声の状態に対して厳しい評価を下していた。KISSのジーン・シモンズもその一人である。

「全盛期のデイヴは唯一無二の存在だった」と、彼は2021年8月にローリングストーン誌に語っている。「彼は究極のフロントマンだった。(ロバート・)プラントとも、ロッド・スチュワートとも違う。彼はフロントマンというものを未知の領域に推し進めた。そして、彼に何があったのかは知るよしもないが……何かがあったんだろう。で、現在のデイヴだ。俺はエルヴィス・プレスリーのことを全盛期の姿で覚えていたい。メンフィス時代の笑みを浮かべる彼だ。バスルームの床に転がる太った裸のエルヴィスなんて考えたくない」

その後、彼はこの発言について謝罪したが、KISSはツアーの残り日程にデイヴを再ブッキングすることはなかった。つまり、デイヴがライブを行ったのは、2020年3月10日、テキサス州ラボックのUnited Supermarket ArenaでKISSの前座を務めたのが最後ということになる。彼はこの日のセットを「Jump」で締めくくった。このパフォーマンスのファンショット動画を振り返りながら、「バスルームの床に転がる太った裸のエルヴィス」という喩えが正当だったのか自分の目で判断してほしい。

現在、デイヴに関して多くの疑問が残っている。1月上旬のコロナ検査が陽性だったために、なぜ2月中旬のライブができなくなったのか? そもそもコロナに感染したのは彼なのか? なぜ再延期ではなく、全面的にキャンセルされたのか? そもそもデイヴは引退について本気で考えていたのか、それとも単にチケットを売るための手段でしかなかったのか? 彼はもう引退したと考えるべきなのか?

どの問いにも答えることはできないが、彼はいつかまたライブをやるだろうと強く感じている。テキサス州ラボックのアリーナで、KISSの前座を務めてキャリアを終えるというのが、デイヴのスタイルとは思えない。ランボーが14回の引退を経験できるなら、ダイヤモンド・デイヴにもできるはずだ。

From Rolling Stone US.

Translated by Rolling Stone Japan

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