I Don't Like Mondays.が語る、洋楽マナーを取り入れた新しいJ-POP像



ー前回取材させていただいた後にツアーを拝見させてもらって、ビジュアルイメージ、楽曲、ライブの印象が、いい意味で自分の想像と違ってビックリしました。デビュー当初の「セレブリティロックバンド」というキャッチコピーの印象が強かったんですけど、実際はすごく音楽性が高く真摯に音楽を鳴らすバンドだなと強く思いました。


SHUKI:最初の頃は、パッと見の印象をそのまま言葉に具現化したものが1番分かりやすいという表面的な意味で「セレブリティ」というキャッチコピーだったんです。

KENJI:その言葉が強かったので、音を聴いてもらえない感覚はありましたね。

YU:逆に、自分が「セレブリティロックバンド」と掲げられている記事を見たら、絶対しょうもない音楽やってるわと思っちゃうだろうし(笑)。バンドがどうやって露出していくか、どうやって書いてもらうかもすごく大事だなと実感しました。音楽を聴いてもらうことが僕らの仕事なので、そこに至るまでも音楽の1つだなと今では思っています。

ーとはいえ、自分たちの楽曲がまっすぐ伝わらない葛藤もあったんじゃないですか?

YU:それはデビュー1年後ぐらいにじわじわと感じ始めて。2、3年経つと「これはおかしいぞ、なんで僕らってフェスに出られないんだろう……」と思ったことはあります。トライ・アンド・エラーの繰り返しで、やってみないと分からないことがあるので、いつでも勉強です。

ーそんな中、楽曲の制作ではどのような苦労があったんでしょう?

YU:当時はインディのUKロックバンドみたいな曲ばかり作っていたんですけど、ちゃんと話し合いをするようになったとき、僕らは感覚だけで曲を作れるタイプじゃないことに気づいたんです。そこから自分たちのルーツを辿って、共通して好きな音楽性、ベン図で言うと真ん中の部分を探るところから始めました。デビュー1、2年前に、その繰り返し作業をやり始めてようやく形が見えてきて。デビュー曲ができたところから実際に音楽性が固まり出して、リリースの中でもずっと試行錯誤を続けて、気づけばもう7年間ぐらいやっていますね。

SHUKI:最近ようやくバンドの大体の軸ができて、「これってどう?」って曲作りの話ができるようになりました。最初の頃は「僕らって何?」みたいなところからスタートしていたので、パブリックイメージと僕らの中での考えを一致させつつ、どこにI Don’t Like Mondays.という軸を置くかが決まるまでは何が正解なんだろうと感じることはありましたね。

ーKENJIさんも同じような苦労はありましたか?

KENJI:もちろんありました。自分たちは飽きが早いから、基本的にジャンルに縛られずいろいろな音楽をやっていこうと決めていて。だからこそ「結局どういうバンドなの?」ってなった時に、自分たちのバンドを言葉で表すのが難しかったんです。コロナ期間を経て、1回立ち止まってしっかり考える時間ができて、自分たちが日本でやる意味、今こういう状況の中でやる音楽の意味を考えるようになってから、少しずつスタイルが確立してきました。かなり試行錯誤したけど、全てに意味があったと思うし、いきなりこの答えには辿り着かなかったので、長く続けるってすごく大変なことだなと思いました。

ーCHOJIさんはコロナ禍によってどんなバンドの変化があったと感じていますか。

CHOJI:コロナ期間でバンドと向き合う時間ができたんです。もしコロナ禍がなかったら今みたいな変化はなかったかもしれない。例えば、メンバーの1人が「もっとこういう音楽をやれるんじゃないか」と思っても他の人の意見もあるので。コロナ期間は、4人が同じタイミングで「こういう曲もいけるんじゃないか」とか、タイアップなど外からの影響で変わることがあった期間で、今はバンド全体が上手く変化しだしたタイミングだと思っています。

Rolling Stone Japan 編集部

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