音楽における無音の効果的テクニック、シルク・ソニックなどの名曲から鳥居真道が徹底考察

「良さのあまり買いに走ったシルク・ソニックのCD」

ファンクやソウルのリズムを取り入れたビートに、等身大で耳に引っかかる歌詞を載せて歌う4人組ロックバンド、トリプルファイヤーの音楽ブレインであるギタリスト・鳥居真道による連載「モヤモヤリズム考 − パンツの中の蟻を探して」。第31回はシルク・ソニックやダイアナ・ロスなどの音楽から無音を効果的に使ったテクニックを考察する。

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コンビニやスーパー、飲食店などでお会計をしたときに頑としてレシートを受け取る癖があります。別に家計簿をつけているわけでもないし、何かあったときのために保管しているわけでもありません。まったくもって必要ないのですが、毎回受け取ってそのまま鞄に放り込んでいます。ある程度溜まってくると鞄から財布を取り出すときにくしゃくしゃになったレシートが一緒についてきてレジで恥をかくことがあります。それがレシートをまとめてゴミ箱へ捨てるタイミングです。

自分にとって不要でしかないレシートを受け取ってしまうのはなぜか。その理由は、貰わないとなんだか気持ちが悪いからです。レシートを受け取ることは、自分にとって会計に関する一連のやり取りの終了を意味します。これで本当に終わったよね?という確認になっているのです。やり取りのターンをすべて終えて、取引が完了し、お互いの関係もそこでチャラになってノーサイド、という感じ。本当は単に「いりません」と声に出すのが面倒なだけかもしれません。

Rolling Stone Japan 編集部

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