EXILE AKIRAが語る、この時代にあらためて考えた「EXILE」の存在意義

責任感と発信力

ーAKIRAさんが先程おっしゃっていた“自分たちは何のためにここまでやってきたんだろう?”という点で、そのことに悩む若い世代のメンバーもいたかと思います。彼らをどうやって引っ張っていったんですか?

ライブを何公演もキャンセルしてという状況が続いていた中で、当然ながらステージに早く立ちたいという想いは強くありましたけど、それ以前に日本にはエンタテインメントで生きている、たくさんの素晴らしいアーティストの方達やそれらを支える、スタッフ、クリエイター、技術者がいるわけじゃないですか。ただ自分たちが早くやりたいからという理由ではなく、“日本を元気に”というテーマの通り、その人たちにも何か希望を与えたいというか、ファンの皆様はもちろん、エンタテインメント業界復活の兆しを見せられる第1歩となるのがLDHでありたいという熱い想いがあったんです。だから、自分も含め周りの若い子たちにも、あらためて僕たちがエンタテインメント業界の代表として発信していくくらいの意識で責任感を持って、日頃のコロナ対策もそうだし、呼びかけなども発信していこうと伝えていました。

―なるほど。

その甲斐あってか、2021年に入って、しっかりとした感染症対策と東京都医師会や政府、各界の方々からのご支援とご指摘ご指導を受けながら、2万人規模のドームライブをさせてもらえたんです。そこで一番嬉しかったのは、2万人のファンの人たちが、どんなに盛り上がる曲をやっても一切声を発さなかったんですよ。ライブをやる前は正直、“どういうテンションなのかな?”“ドームクラスの動員数のお客様達が一つに団結できるのかな?”とか、何より“これで(ライブを)やって面白いのかな?”と不安に思っていたところも沢山あったんですけど、やってみると逆に鳥肌が立つというか。こんなに多くの人たちが一丸となれるんだと思った時に、STAY HOMEばかりがコロナ収束の鍵じゃないんだな、ということを感じましたね。僕たちがこの状況下でエンタテインメントからコロナ収束にむけ、予防対策や危機管理を発信することで、結果的に来てくださったファンの人たち1人1人の意識を高めることに繋がり、ライブから帰った後も周りの人に注意喚起を呼びかけあったりだとか、マスクをした方がいいよ、今は飲み歩かないでおとなしくしていようってリーダーシップを持って伝えていくことで、1人が2人、2人が4人、4人が8人というように広がって、収束につながっていくんじゃないかとさらに希望を持てたんです。そういう新しい可能性を感じたことで僕たちも自分たちの存在意義をようやく感じられたし、本当にファンの皆様の団結力を本当に誇らしく思いましたし、感謝しかありませんでした。すごく大きな学びだったし、本当にやって良かったと思いました。



ー素晴らしいことですね。そこに集まった人たちが自発的にその場所を守ろうとするために、いろんな暗黙のルールができていくというのは。

“ライブに行くのが怖い”じゃなく“ライブから収束への一歩を築き上げる”環境作りができたらなと。そのためには、まず自分たちが一番徹底しなきゃいけないですし、何よりお客様の安全を考えた予防対策というのは絶対に必要なんですけどね。

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