西岡恭蔵とKURO、世界旅行をしながら生み出した楽曲をたどる

西岡恭蔵(photo by 北畠健三)





中部:これは、KUROさんが作詞した最初の歌なんです。元はと言えば、ザ・ディランⅡ(セカンド)をやっていた大塚まさじさんがソロになるときに、KUROさんが作詞をして、恭蔵さんが作曲をして、この曲をプレゼントした。大塚さんのソロデビューに花を添えた曲だったんです。まあ、男歌、女歌という言い方をしていいのかどうか分からないけど、その意味ではKUROさんは男歌を書いてデビューしたことになる。高校生のときからアメリカのポップスを訳して詞を作るのを趣味にしていたので、KUROさんは詞の心を自分の中で育てていた人だったと思います。

田家:大塚まさじさんの1976年3月のアルバム『遠い昔ぼくは・・・』の中に、大塚さんの歌で入っている曲。KUROさんの本名は田中安希子さん。恭蔵さんの少年時代の思い出を歌にしたんだというふうにも……。

中部:恭蔵さんから聞いていたことなんでしょうね。つまり、恭蔵さんのおじいさんが経験した海の話が、恭蔵さんの口を継いでKUROさんに伝わっているんだと思うんです。

田家:先週話に出た、西岡新松さん。

中部:はい。海外航路の船員だったおじいさんの思い出話に恭蔵さんは相当影響受けていて、それをシーンとして話したり、こういうことがあったとKUROさんに話していたと思いますね。

田家:KUROさんが以前から詞を書く人だったということは、取材をされてわかった?

中部:そうですね。恭蔵さんがKUROさんのプロフィールを書いているんですけど、その中に高校時代にも(作詞を)やっていたことが紹介されているんですね。詞を作ることはKUROさんの天職だったんじゃないかと、恭蔵さんは書いていますね。

田家:でもそれは、恭蔵さんと出会ったから花開いた? あるいは、恭蔵さんと出会わなかったらこういう形になっていないと?

中部:逆に言うと、恭蔵さんの周りの音楽家の方たちから訊くと、詞と曲を作るのは相当つらくて、小説を1本書くのと同じくらい大変なことなので、恭蔵さんも実はKUROさんが詞を書くようになって、相当楽になったんじゃないかとおっしゃっていましたよ。

田家:なるほどね。中部さんが選ばれた3曲目、アルバム『南米旅行』の中から、「今日はまるで日曜日」。

Rolling Stone Japan 編集部

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