Anonymouz、初のホールワンマンで魅せた匿名性と身体性の融合

「改めまして、今日は本当に大変な中、寒い中、来てくださってありがとうございます。最後まで楽しんでいってください」と挨拶をし、「Wonders of Art」へ。ピンクの照明の中で重心の低いモダンでネオソウル調の楽曲を大人っぽく歌い、デジタルなトラックとそれを切り裂くような凛としたヴォーカルが美しい「Homesick」を続けて歌っていく。それぞれの楽曲に寄り添うような歌声が時間を水のように淀みなく流していった。

「今回みなさんに聞きたいことがあって。ところどころタメ口でしゃべってもいいですか?」と問いかけると大きな拍手がわき起こった。「普段顔を隠しているから、もっともっとみなさんと近づきたいと思っていたのでタメ口もいいかなと思って聞かせてもらいました」と語ると、「ファンの名前を決めたいです」と3つの案を自ら提案。「ムーザー」、「az」、「ネーマー」の中から観客たちの拍手によって、「AからZから始まる世界中の皆さんが虜になる」という意味の「az」に決定した。そして「azのみなさんいつも本当にありがとう。カバーで知ってくれた人が多いと思うので、聞きたいと思うカバーをメドレーにしてきました」とイングリッシュメドレーへ。

ピアノの上でback numberの「水平線」、azたちの拍手とアコギとピアノの伴奏とともにAimerの「カタオモイ」、ピアノとチェロの響きの中で優里の「ドライフラワー」、異国情緒あふれるジャジーなアレンジの中で藤井風の「もうええわ」、モダンなジャズ調のYOASOBI「夜に駆ける」と、彼女を世の中に知らしめたルーツのひとつでもあるカバーをじっくりと聴かせた。



そこから一転、ダークな雰囲気とトラックから始まる「Your Plan」へ。サビでのバンドのアンサンブルがハードで静と動を表したかのように響く。そして「1 MINITUE ORIGINAL」としてYouTubeチャンネルで1分間のオリジナルを公開していた動画から明るく弾けたR&Bの新曲「Hide & Seek」をフルバージョンで初披露。「リハーサルをやっていても盛り上がっていて、すごい楽しい曲なので手拍子をして聞いてください」という言葉通りazは体を揺らして楽しんだ。ヘビーなドラムと怪しげなシンセとギターカッティングとともに赤い照明の中で「Lips」を歌い、ヴォーカルが楽曲を引っ張っていくように歌い上げる「Thrill」へ。後半の伴奏でバンド紹介をし、ライヴでの一体感がより一層生まれていった。

Rolling Stone Japan 編集部

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