Anonymouz、初のホールワンマンで魅せた匿名性と身体性の融合

「小さい頃からの夢が、ずっとずっと歌が好きだったので、この活動を通してどんどん叶っていっています。本当にみなさんの応援が届いて、刺さって、本当に何度も何度も救われてきました。本当にありがとう。みなさんにもらう以上の力を歌と音楽を通してどんどん届けていきたいなと思っています」と語り、「この曲を書く過程でもまだ整理のつかない気持ちをたくさん並べて、ヒントを得て、そこから少しづづ理想に近けるように書いていきました。それって少し絵と似ているなと思って。生きていたら誰でも苦しいこともいっぱいあると思うんですけど、その苦しいことからヒントを得て、少しずつでも理想に近づいていければきっと大丈夫なんじゃないかと思います。時間は過ぎていって、必ず苦しいことも過ぎていくと、そんなメッセージがこめられた1曲になっています」と、東京都美術館『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』のテーマソング「Unbreak」を、YouTubeチャンネルWith ensembleで演奏しているストリングスとサックスのメンバーとともに一緒に披露した。

「今回「Forward」っていうタイトルを付けましたが、みなさんにたくさんの明るい光を与えられましたか? 私も本当にたくさんのパワーをいただきました。ありがとう」と丁寧に言葉を紡ぎ、そのまま一呼吸つき、ピアノの伴奏の上で「Eyes」へ。途中でストリングスが加わり、厳かな演奏のなか、最後まで淀みなくすべての楽曲を歌い切った。



鳴り止まないアンコールの拍手に応えて再びステージに登場したAnonymouz。初めてのグッズ紹介をし、「今日はたいへんなところ来てくれて本当にありがとうございます。これからもみなさんの日常を少しでも鮮やかにしていけるようにたくさん曲を書いて、たくさん届けられるようにがんばりますので、ぜひこれからも応援してください」とazに伝えると、赤い照明にミラーボールが回る中、ミドルテンポでムーディーな新曲「赤」をしっとりと力強く歌った。「また必ず会いましょう」と語り、ステージを後にした。

「名前のない女の子」というアーティスト名と、目元を隠した匿名性を持ちながらも、ステージ上でバンドメンバーたちとともに堂々と身体性を持って楽曲を歌い上げていったAnonymouz。透明性のある歌声を見せたかと思えば、心の芯に突き刺さるような深い歌声も聴かせるなど、掴めそうで掴めない懐の深いヴォーカルが印象的だった。まだまだポテンシャルを秘めていそうな彼女の今後にますます興味を持ったワンマンライブだった。

PhotographerViola Kam (V’z Twinkle)

『Anonymouz Live 2022 〜Forward〜』
セットリスト
1. Winds of Time
2. 足りないよ
3. In Our Hearts
4. Snake Love
5. Wonders of Art
6. Homesick
7. 水平線(cover)
8. カタオモイ(cover)
9. ドライフラワー(cover)
10. もうええわ(cover)
11. 夜に駆ける(cover)
12. Your Plan
13. Hide & Seek
14. Lips
15. Thrill
16. Unbreak
17. Eyes
EN. 赤

公式サイト:https://anonymouz.jp/s/n109/?ima=4300

Rolling Stone Japan 編集部

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