ミュージックリアリティショー「COREMANIA」の魅力

「COREMANIA」EPISODE #1より

とある筋から連絡があり、こう言われた、「新しい音楽番組を始めるから観てほしい」と。番組の名前は「COREMANIA」。キャッチフレーズには「筋書きなし、予測不能。」とある。番組の台本なんかない、「ミュージックリアリティショー」だそうだ。うーん、まったく想像がつかない。しかも、本番組には通常の音楽番組とは異なる点がある。番組を視聴するにはエピソードごとにお金がかかるという。

正直、すごい自信だなと思った。コロナ禍以降、配信ライブの数は格段に増え、自宅でライブを楽しむという鑑賞スタイルは1年前に比べてだいぶ定着してきたとは思う。しかし、それはライブというナマモノ(もしくは、配信を前提とした演出)にお金を出しているわけであって、音楽番組にお金を出すというのはどうも気が引ける。だって、すでにアーティストがトークをする番組はあるし、生演奏を観られる番組もあるでしょう。たぶん、大部分の音楽ファンはこの感覚を理解してくれるはずだ。

ということで、あまりポジティブな印象がない状態で「COREMANIA」の記念すべき第一回目の配信10-FEET×SUPER BEAVER編を観始めた。舞台はバーが併設されたラウンジ。中心に据えられた球体型のライトを囲むようにソファがランダムに置かれ、そこにメンバーが座っている。番組は本番前のメンバーの様子から始まっていて、バーに座っているTAKUMA(10-FEET)と渋谷龍太(SUPER BEAVER)がこれから始まる未知の番組に対する緊張をあらわにしている。







自分が知っている音楽番組にはしっかり台本がある。MCからアーティストに振られる質問も大枠は決まっている。場合によっては、「こういう話はしないでほしい」というNG事項も番組側に伝えることもある。そういった事前準備は番組を滞りなく進行するために必要なものであり、逆に台本がない番組に出演するというのはほとんどのアーティストが不安に思うだろうし、そもそもマネージメントがOKを出さない可能性が高い。しかも、この番組から両バンドへ伝えられているのは演奏時以外にマイクで喋るなということぐらいで、あとは「好き勝手にやってください」としか言ってないっぽい。つまり、両バンドのメンバー全員がMCであり、ゲストであるという状態。喋りたいときに喋り、酒を飲みたいときに飲み、演奏したいときに演奏する。それは緊張感を伴うし、出演者への負担は大きいがこの自由度の高さは刺激的なはず。打ち上げ以上、ステージ以下、みたいな感覚だろうか。

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