オーロラが自由を追い求める理由「音楽やダンスは生きてる意味そのもの」

オーロラ

 
ノルウェーのシンガー・ソングライター、オーロラ(AURORA)が、今年1月にニューアルバム『The Gods We Can Touch』をリリースした。ギリシャ神話に影響を受け、そこに登場する神々を関連付けながら書いたという楽曲を15集めた、初めてのコンセプト・アルバムだ。これまでの彼女の作品は、ダークだったりヘヴィだったり、あるいはエレクトロニックなサウンドが幻想的に響いたりといったものが多かったが、今作は躍動感のあるリズムに乗って高らかに歌われる曲もいくつかあるなど、生命力漲るポップな作りに。彼女も言うように遊び心に溢れ、ダンスしながら聴くこともできる作品になった。その変化はどこからくるものなのか。ギリシャ神話から得た着想と新しいサウンドを合わせ、聴く者たちにどんな思いを伝えようとしたのか。オーロラに話を聞いた。



―COVID19のパンデミック以降、日本では海外アーティストのライブを観ることのできない状況が長く続いています。そんななか、あなたは昨年9月の「SUPERSONIC」に豪雨のなか出演し、たくさんの音楽ファンにパワーと癒しを与えてくれました。出入国の手続きが煩雑である上、日本滞在中の外出も規制されるなど様々な苦労があったことと思いますが、それを受け入れた上であのような素晴らしいライブを見せてくれたことに対して、まずはお礼を言いたいです。

オーロラ:私は日本が大好きだから、日本に行けるならなんだってする。たとえそれが1日の滞在だったとしてもね。もともと私はひとりでいるのが好きだから、隔離期間中のホテルでも楽しく過ごすことができた。持って行った本を読んだり、パズルをしたり。毎日Uber Eatsでラーメンを頼んで食べていたし、ツナマヨおにぎりもお気に入りの食べ物になったし(笑)。そうして日本のファンのみんなの前で歌うことができて、私自身、すごく感動した。魔法のような体験だったわ。みんながああいう繋がりを必要としていたんだと思うの。

―新作『The Gods We Can Touch』についてお聞きします。過去の作品はツアーの合間などに慌ただしく作られたそうですが、今回はベルゲン(ノルウェー南西部の都市)に近いロセンダルにある邸宅バロニー・ロセンダルに滞在し、集中してレコーディングされたそうですね。その場所からインスピレーションを受けたところもあるんですか?

オーロラ:1カ月間そこを借りきって制作したんだけど、本当にたくさんのインスピレーションをもらったわ。自宅とは違う別の場所に身を置くことは大事で、そうすると改めて自分を見つめ直すことができる。滞在中は毎朝、別世界にいるような気がした。400年昔にタイムスリップして、そのお城に住んでいる自分を思い描いたりして。周りに大きな山があり、大自然に見守られている気がしたの。すごく神秘的で、美しいところよ。

Translated by Yuriko Banno

 
 
 
 

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