tricotが語る、「恋愛」を音像化した新曲の裏側

「ツアーって楽しいなあ」ということを久しぶりに思い出した

─今はちょうどツアー中なんですよね。昨年リリースしたアルバム『上出来』を携えてのライブだと思うのですが、手応えはいかがですか?

中嶋:今回のツアーは、東名阪以外はすごく久しぶりに訪れるところばかりなんです。コロナ禍になる直前の『真っ黒リリースツアー「真っ白」』で行って以来の場所や、それよりもさらに前に行ったきりの場所もあって。その間にアルバム『10』も出しているし、まだ届けていない新曲もたくさんあるし、今回は過去曲も『10』や『上出来』の曲も、ちゃんとバランスよく入れたセットリストにしました。結構とっ散らかった感じになってしまうかなと思ったのですが、ちゃんといい流れになっていたのが自分の中では大発見やったし、新曲に対するお客さんの反応を見ても、期待以上に受け入れてもらっていることが実感できて、やって良かったと思いました。

─マスク着用が義務付けられるなど、制限の中でのライブでもお客さんの反応はちゃんと伝わっているのですね。

中嶋:目から上しか見えなくても、楽しんでくれているのはしっかり伝わってきました。お互いの「生存確認」みたいな感じもあって、本当にやって良かったと思っています。久しぶりのツアーで、自分たちもどんどん勘を取り戻している感じもあったし。

吉田;お客さんの適応力ってすごいなとも思いました。今のこの制限の中でも楽しみ方を見つけているというか。コロナ禍を決して「いい状態」とは言えませんが、この二年くらいで僕らの見せ方も慣れてきたのもあるし、その受け取り方も慣れてきたのもあって、こういう状況でも100パーセント楽しめるのは大事なことやなと思いながらやっています。

ヒロミ:声は出せないけど、拍手をいつもより強くしてくれたり、ハンドサインで「いいね!」をくれたり、拳をたくさんあげてくれたり、その表現も場所によってちょっとずつ違うのも面白かったです。ずっと関東でのライブが多かったのですが、地方へ行ってお客さんの温かみを改めて受け取って嬉しいし、何より「ツアーって楽しいなあ」ということを久しぶりに思い出したというか。自分自身が一番お客さんに楽しませてもらっていますね。

中嶋:コール&レスポンスのような、お客さんとのコミュニケーションは難しいけど、逆に「音楽をちゃんと届ける」ということに対しては、今まで以上に集中できるし、お客さんも今まで以上に集中して聞いてくれているし、そういう意味での緊張感もあって。

吉田:やる側が、お客さんの熱量に甘えられなくなったよね。勢いだけではどうにもならない。今までとは違うやり方も含め、演奏や演出をしっかり届ける気持ちでやらなきゃいけないなと。そういう意味でも「怪我の功名」というか、状況は決してよくないけど、今はいろんなことを学ばせてもらう期間やなと思っています。

キダ:私は今回、新しいペダルエフェクターを色々と導入して、その踏み替えなどがややこしくて大変でした(笑)。でも回を重ねるごとに馴染んでいく感覚があって、それも久しぶりに味わうことだったので「ツアーやっているなあ」としみじみ思いました。久しぶりの土地に降り立って「こういうライブがあったなあ」とか「こういうイベントに出たなあ」みたいなことを、ライブ中に頭の中を駆け巡る瞬間があって、めちゃめちゃエモい気持ちにもなりましたね(笑)。

─3月からは、ヨーロッパにて9カ国18公演を予定しているんですよね。無事に開催されることを祈っています。

中嶋:ありがとうございます。ただ、今のところはまだ全然分からなくて……キャンセルにもなっていないし、絶対に開催できるとも言い切れない状況なんです。行けたらもちろん全力でやろうと思っていますし、もし難しくなってしまった場合でも、何か面白いことをヨーロッパのお客さんに向けてやれたらいいなと思っていますね。

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