渡瀬マキが語る半生「歌うことを息をするぐらい普通のことにしたい」

渡瀬マキ

LINDBERGのボーカリスト、ソロ・アーティストの渡瀬マキが、2022年2月22日の誕生日に、ワンマンライブ『Birthday Live2022「back to basic 222~ソロとリンドとカバーと~」』を開催する。

1989年にLINDBERGでデビュー以来、バンドの解散・再結成、ソロ活動、結婚・子育て、機能性発声障害での活動休止など、様々な経験をしながらアーティスト活動を続けてきた渡瀬。LINDBERGデビュー30周年を記念して配信された電子書籍 『Essay 渡瀬マキ エッセイ』を読むと、「今すぐKiss Me」、「BELIEVE IN LOVE」といった大ヒット曲で多くの人が抱いているであろう、明るく元気なイメージとは裏腹な繊細な素顔も感じることができる。そして今なお、歌い手としての葛藤を抱えながら、彼女はバースデーライブのステージへと立とうとしている。

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―現在もなかなか出口が見えない状況の世の中ですが、最近はどのように過ごしていらっしゃいますか。

2月のライブ(Birthday Live2022「back to basic 222~ソロとリンドとカバーと~」)に向けて、自宅で平川達也氏(LINDBERGのGtであり夫)にアコギを弾いてもらって、キーを決めたり練習したり、「本当にこの曲でいいのか?」という作業をして過ごしています。それと、平川達也氏が他のアーティストの方用だったり、将来私が歌うかもしれない曲とかの制作をしているので、その仮歌を歌ったりしています。

―それは、ご自宅のスタジオですか?

全然、スタジオというような立派なものじゃなくて、普通の部屋でやってます。防音もしていなくて、近所の方には丸聴こえな感じで(笑)。

―なるほど(笑)。LINDBERGは2019年にデビュー30周年を迎えましたが、延期を経てツアーファイナルも昨年行われました(2021年1月6日LINE CUBE SHIBUYA<LINDBERG 30th Anniversary Tour『NO LIND, NO LIFE ?>)。どんなお気持ちでステージに立っていらっしゃいましたか。

30周年のLINDBERGは、私が機能性発声障害になって休養してから、初めてファンのみなさんの前で歌うという流れだったんです。2年半ほど休ませていただいていたこともあって、正直「ライブってどんな感じだっけ?」という感じもありましたし、まだまだ治療の最中、リハビリ中だったので、コロナで2回延期になったことは、私は全然後ろ向きには捉えていなくて、自分の声を出す練習の時間が増えたんだっていう風に捉えていました。それでいざ、ツアーに出てお客さんの前に立つと、これは誰も経験したことがないことですけど、ライブで声を出しちゃいけないということも初めてだし、私たちも今まで何十年もやってきたスタイルと全然違うルールの中でやらなければいけないということもあって、なんとも不思議な感じでした。ただ、私たちがすることは1つで、来ていただいた方に楽しんでもらうこと、想いを込めて演奏して歌うということには何も変わりはないということを本番前にメンバーと話してステージに出ました。戸惑いは正直ありましたけど、ファンの方の想いは伝わってきましたし、すごく良いツアーになりました。

―ちなみに、渋谷公会堂がLINE CUBE SHIBUYAになったのはどう思いました?

これまでも名称が「C.C.レモンホール」になったりして、今回は建物自体が変わってしまいましたけど、自分たちの中では「渋公」ですね(笑)。名前が変わろうが場所が変わろうが、自分たちの中では「ああ、渋公だな」っていう気持ちでライブをやりました。

Rolling Stone Japan 編集部

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