米スーパーボウル・ハーフタイムショー、歴代出演者の格付けチェック(2022年改訂版)

13位:トム・ペティ(2008年)


アリゾナ州グレンデールで行われた第42回スーパーボウルで演奏するトム・ペティとハートブレイカーズ(Photo by Matt Slocum/AP/REX/Shutterstock)


ペティ本人もよく言うように、負け犬にも時には運が向いてくるものだ。実際にこの年ジャイアンツも、ヘルメットキャッチでスーパーボウルを制した。ペティのステージも素晴らしかった――この大舞台を理解し、自分がなすべきことをわかっていた。「American Girl」は完璧なオープニングソング。ハーフタイムショーとして非の打ち所がない。とはいえ、史上最もがっかりするスーパーボウルだったことも否定できない。筆者はニューイングランド出身なのだ。申し訳ない




12位:マイケル・ジャクソン(1993年)


Photo by Steve Granitz/WireImage


MJは生涯を通じて、偉大なTVパフォーマンスをいくつも世に送り出した。『ソウル・トレイン』での「I Want You Back」、『モータウン 25』での「Billie Jean」、1998年グラミー賞授賞式の「Man in the Mirror」。そしてこれが最後の傑作だった。彼はちょうどオプラ・ウィンフリーとのインタビューや、アルバム『デンジャラス』、そして1993年グラミー賞でのジャネットとの愛らしいツーショット(「僕とジャネットは本当に別人だよ!」)と、トップシーンに返り咲いた時期だった。90秒間、身動きもせず無言で立ち続けた後、2つの大ヒット曲に合わせてしなやかに動きまわり(「Billie Jean」と「Black and White」)、最後はそこまででもない1曲で絞めた(「Heal the World」)。


11位:ポール・マッカートニー(2005年)


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彼は「Freedom」をやらなかった。しかも2001年のスーパーボウルのように、テリー・ブラッドショーとの「A Hard Day’s Night」のデュエットもなかった。代わりに、マッカートニーは過去10年間のライブと同じように往年の名曲をストレートに、飾り気なく、威風堂々と演奏した。ビープ・ビープと歌う「Drive My Car」で幕を開けるなんて、一体誰が予想しただろう? そして「Live and Let Die」で会場全体を熱狂させた。試合の方も最高。


10位:ケイティ・ペリー、ミッシー・エリオット(2015年)


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ケイティが輝いていないなんて言わせない――ベガス風のショーを堂々とやってのけたのだから。極め付けはラリったような踊るヤシの木と(そしてもちろん)レフト・シャーク。だが一番のサプライズは、「Get Ur Freak On」と共にシルエットで浮かび上がった謎の人物。嘘だ、あり得ない。いや、本当だ。あのミッシー・エリオットが久しぶりに大舞台に現れ、世界をあっと驚かせた。待ち望んだカムバック。時機を心得ているとはこういうことだ。ケイティに拍手を――真のスターだけが、ミッシーとスポットライトを分け合うだけの自信を持ち合わせているのだ。

Translated by Akiko Kato, Rolling Stone Japan

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