西岡恭蔵「病と闘いながら生み出した名曲の軌跡をたどる」

パラダイス・カフェ / KYOZO & BUN

田家:KYOZO & BUN。西岡恭蔵さんと岡嶋善文さんですね。

中部:これは1985年くらいにできたバンドなんですけど、恭蔵さんが健康を取り戻してきて、やろうと。本当はバンドをやりたかったらしいんですけど、今度はデュエットでベースを入れてやろうと。後にANNSAN(アンさん=安藤政廣)というパーカスの方が入って3人組になるんですけど、KYOZO & BUNという1つのユニットができて5年ほど活躍するんです。これは日本中のライブハウスとかコンサート、フェスを回るバンドで。そのとき既に日本中に西岡恭蔵ファンがいて、そこら中から声がかかっていて忙しかったみたいですよ。

田家:なるほどね。でも、さっきのHalf Moonの曲に比べると、いわゆる中南米度、トロピカル度はちょっと薄くなってきている感じですね。

中部:そう、落ち着いてきていますよね。ポピュラーミュージックの方にまた寄り始めるんですけど、岡嶋善文さん、5歳若いベーシストを入れたというのも、またちょっと違ってきたんだと思うんですよね、彼と組んでやることで。

田家:岡嶋さんは1953年生まれで、中部さんと同い年ですよね。

中部:同い年です。だから彼も、恭蔵さんのLPアルバムを何枚か聴いて、感動していた。

田家:「ろっか・ばい・まい・べいびい」を聴いて感動したって本にありましたよね。面白かったのが、細野さんがどうして恭蔵さんをプロデュースしたのか興味をそそられた、と。で、中部さんの興味の持ち方と全く同じ興味を持った(5歳年下の)ミュージシャンが一緒にユニットを組んだんだと思ったんですよ。

中部:全くそうなんですよ。その頃は岡嶋さんもただの学生ですから、音楽業界に詳しいわけでもないし、不思議だなと思っていたんだと思うんですよね。それは僕も、岡嶋さんと会って話を聞いたときには、同じだなと思いました。

田家:次は、KYOZO & BUNカセットブック『パラダイス・カフェ』の中から、「コーヒー・ルンバ」。

Rolling Stone Japan 編集部

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