西岡恭蔵「病と闘いながら生み出した名曲の軌跡をたどる」



田家:「J-POP LEGEND FORUM」今年がソロデビュー50周年、西岡恭蔵さんの軌跡を小学館から発売になった『プカプカ 西岡恭蔵伝』の著者、ノンフィクション作家・中部博さんをゲストにたどり直してみようという5週間。今週はパート4。流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。

中部さんがお書きになった本『プカプカ 西岡恭蔵伝』は、シンガー・ソングライターの伝記なんですね。そういう意味で言うと、例えば本屋さんに置かれている場所は音楽というところにあると思うんです。でも、音楽本という枠では括れない本だなと思ったので、今月のこういう特集に繋がったということでもあるんですね。なぜかと言うと、人の死と向き合っている本なんですよ。その人がなぜ死ななければいけなかったのかというのを、ずっとたどっているんです。なぜ死を選んでしまったのか。音楽を中心に語っているだけでは踏み込まないところ、見なくていいところ、むしろ見ようとしないところに入っていって、それを自分で受け止めようとしている。それを受け止めながら書いている。亡くなった人のことを、いろいろな友人の方、遺族の方、息子さん、それからごきょうだい(姉)まで、ずっと話を取材でたどっていっているんですね。その誠実さみたいなものにですね、読んでいてかなり胸を打たれたところがあります。自分の心身の不調と闘っている中で、最も献身的に関わってくれた人に先立たれる、しかも自分の創作のパートナーが先に逝ってしまうということがどういうことなのか。そういうことを本の後半では書いてあるわけで、この話は来週なんですけれども、KUROさんは1997年にガンで亡くなるんですね。亡くなったときの恭蔵さんの様子とか、その後のお友だち、関係者がどんなふうに支えていったのかということも、来週の話の中に出てくると思います。


左から中部博、田家秀樹



<INFORMATION>


田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
https://cocolo.jp/service/homepage/index/1210

OFFICIAL WEBSITE : https://cocolo.jp/
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OFFICIAL Facebook : @FMCOCOLO
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Rolling Stone Japan 編集部

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