スラッシュ「最低な状況も愛していた」ガンズ・アンド・ローゼズで得た人生の教訓

「物議を醸すバンド」で得た教訓

―ガンズ・アンド・ローゼズの和を保つ秘訣は何でしょうか?

スラッシュ:とにかく、胸の中にしまっておくこと。当時は、バンドが有名になるにつれて——俺は「都会慣れするにつれて(street-smart)」という表現を好んで使うのだが——普段の人間関係に(音楽業界の関係者が)割り込んでくることが最大の問題になっていた。悪影響しかもたらさなかった。その結果、俺はバンドを去ることになった。ご存知の通り、俺は頑固者だから、振り返らず前に進んだ。

―総体的に見て、ガンズに復帰して一番よかったことは?

スラッシュ:一番大きいのは、俺とアクセル(・ローズ)につきまとう、あの忌々しい暗雲を乗り越えられたことだと思う。当事者以外の奴らによって生み出されたものがたくさんあったから。どれも極めて陰湿で、言葉を交わさない期間が長くなるにつれて、手の施しようがないほど肥大化していった。でも、それより大事なのは、アクセルとダフ(・マッケイガン)と一緒にスタジオに入った瞬間、言葉ではとても言い表せないけど、「そうそう! これこれ!」と思えたことだ。一緒に演奏していると、「90年代の俺たちがあんなことになってしまった原因って何だ?」と不思議に思えた。

―昨年、ガンズは25年以上振りに「ABSUЯD」と「Hard Skool」という2枚のシングルをリリースしました。どのタイミングでリリースに踏み切るのでしょうか?

スラッシュ:本質的に「Hard Skool」は、俺が初めてメンバーの前で披露したときには、曲として完成していた。その後、ダフとふたりでベースとギターのパートをやり直した。シンプルな曲だから、複雑な思考や分析はいらなかった。新しい何か——少なくともダフと俺にとっては——の一環としてやっていたものの一部だったから、すごく楽しかったし、いい時間を過ごすことができた。このほかにも新曲をたくさん用意している。もう少し複雑かもしれないけれど、同じくらい楽しい作品だ。

―ということは、まもなくニューアルバムがリリースされるとか?

スラッシュ:近いうちに、どこかで必ずリリースする楽曲がいくつかあるのは確かだ。それに続くものもある。だが、アルバムという観点から見ると、まだまだパッケージ全体として見なければならない。でも、どこかでアルバムをリリースできるだろうと、ほぼ確信しているよ。



―ガンズはかつて「世界で最も危険なバンド」と呼ばれていました。物議を醸すバンドの一員として得た教訓は?

スラッシュ:メンバーとして誇りに思っていることのひとつは、すべて俺たちがやりたいようにし、音楽業界や誰かのポリティカル・コレクトネスに迎合しなかったことだ。それが原因で俺たちが物議を醸したとしても、そんなことはどうでもよかった。俺たちは自分に正直で、それでいいと思っていたから。こうした特徴は、レコード契約以前からバンドに備わっていたものだ。俺たちは、行く先々である種のカオスと大混乱を巻き起こし、既存の方法や世間から受け入れられている方法を拒んだ。こうしたことは、あくまでバンドのメンバーであることの一部として受け止めていた。今日では、あらゆることがやり尽くされてしまったから、俺たちの出る幕はないかもしれない。それに、意図的だったことは一度もないんだ。

Translated by Shoko Natori

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