メキシコからの移民女性、性的人身売買の実態を証言「逃げ出さないと死んでしまう」

Photo by Kena Betancourt/AFP/Getty Images

メキシコ移民のデリアさんは2020年3月、国際売春組織の裁判でファーストネームしか明かさないという条件で証言。そして2022年、現地時間10日に米ブルックリンの裁判所で行われた量刑裁判で被害者陳述を行った。14歳の時、メキシコを離れて米国にやって来たデリアさんにニューヨークで売春するよう強要した男の量刑裁判だ。

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2年前に証言したときは、スペイン語通訳の同席のもとで質問に答えていた。10日の陳述ではたった1人で、それも英語で(彼女にとっては生まれ育ったマヤの方言とスペイン語に続く3つ目の言語)人身売買業者に向かって堂々と語りかけた。「フランシスコ、あなたは私に地獄を味わわせた。だからあなたも地獄に行けばいい」と彼女は言った。「決めるのは神様の思し召しではありますが、フランシスコ・メレンデス-ペレスが私や他の被害者にした罰として、裁判所には考えうるもっとも厳しい刑を与えていただくようお願いします」

メレンデス-ペレス被告は家族経営の売春組織の一員として、他の4人の被告とともに2020年に有罪判決を受けた。政府の主張によれば、この組織は2006年から2017年にかけてメキシコから少女や若い女性をアメリカに密入国させ、ニューヨークやロングアイランド、ニュージャージー、コネチカット、デラウェアで売春をさせていた。男たちは愛情や結婚、金銭面での安定を餌に女性や少女たちを騙した後、暴力や恐喝で売春から逃られないようにしていた。

人身売買の被害者は、1日に数十人の男たちと性行為するよう強要された。加害者たちはコンドームを配布し、1日の終わりに未使用コンドームの数を数えることで客数を記録していた。デリアさんは被告らから売春を強要されたと証言した6人の被害者のうちの1人で、この他にも2件の量刑判決で陳述を行った。「加害者と対峙したいと思ったんです」とデリアさんはローリングストーン誌に語った。「それに、他の被害者にも正義を果たしてあげたいと思いました。彼女たちにも、私と同じように警察当局と話せるようになってほしいですし、(警察の方にも)私の事件の担当官のように被害者の声に耳を傾けてほしい」

Translated by Akiko Kato

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