最後にタブゾンビが三宅純の制作意欲やどうモチベーションを保っているのか、質問を投げかけた。
三宅: 90年代あたりから自分の作品は自分で原盤を持つべきだと思い始めたんです。それまでの時代はレコード会社が潤っていて、僕がやっているような音楽は税金対策で多少は文化的なこともやっていると体外的に見せるためのいわば捨て駒だった。でも、レコード会社の資本に頼ってアルバムを作ると、方向性の指示も受けるし、彼らの判断で廃盤にされてしまう。それは嫌だなと思って、自分で作ることを始めた。ということは、それを自分でファイナンスしなければいけない。それには、まず作曲家として委嘱を受けて、映画をやる、舞台をやる、ダンスをやる、そしてそこから得た糧をすべて自分のアルバムに投入するわけです。そうすることによってクリエイションにマーケティング的な縛りがなくなるわけ。そう言う意味で1番のモチベーションは締切なんです。委嘱作品をいつまでにやれと言われることが。そして、その仕事によっていつかアルバムが作れるようになるということが本来のもっと大きなモチベーションなわけです。
Photo by Koh Akazawaタブゾンビ:依頼がないときは何もしない日もあるんですか?
三宅:一応日々ピアノには向かうし、トランペット楽器の練習も少しだけするんですよ。「あっ」と思ったときは具体的に曲を作り始めますけど、そうじゃないときって何かの隙間なんです。隙間をただ埋めちゃうと、ノルマ的な曲になってしまう。いかにそのインスピレーションを受ける窓を開けておくかが大事で、ノルマに感じちゃダメなのね。人よりもしかしたら制作はハイペースかもしれない。今日は何もしなかったなという日は、月に2日あるかないかかな。
タブゾンビ:帰ってすぐ制作したい気になってます。
社長:ね。三宅純やばいって思ったよね。
タブゾンビ:パンイチでゴロゴロしながらポテチ食ってる場合じゃないよ。
主催:代官山 蔦屋書店
企画:株式会社コラクソー
協力:カシオ計算機株式会社、株式会社ゴールドウィン、株式会社Pヴァイン
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仕様:A4 変判248 頁 並製
発行:株式会社コラクソー
直取引代行:株式会社トランスビュー
本体:4,000
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