ウクライナに留学中の学生らが語った国境地点での人種差別

ハンガリーへの避難に成功した別のナイジェリア人留学生はローリングストーン誌の取材に対し、ポーランドとの国境で直面した困難な体験を語ってくれた。26歳のナイジェリア人留学生コイ・エメラルド氏は、「私はウクライナとポーランドの国境地点で、ウクライナ人兵士の非人道的で人種差別的な対応により取り残されました。そこからリヴィウに引き返し、ハンガリー方面への別ルートを探さなければいけませんでした」と語る。彼は10時間かけてポーランドとの国境まで歩いた結果、ウクライナ人兵士により追い返された。また、ウクライナ政府による予想だにしなかった見苦しい行為に何度も直面し、「私は、兵士たちは人命を守るために訓練されていると思っていました。国境検問所では関係者らによる素人のような指示に対し、今まさに行われている戦争と同じくらいの恐怖を感じました」と語った。

ポーランドへ避難した23歳のナイジェリア人留学生、イスマイール・アデドラポ氏も、避難の際に直面した人種差別を語った。国境関係者らはウクライナ人女性と子供以外の避難を認めなかったそうだ。それでも彼は、2014年のクリミア半島侵攻から続くロシアの攻勢に耐えているウクライナ国民に共感を抱いている。彼は「ウクライナの国境では人種差別的な対応をされたが、現在までの8年間、直接ウクライナの人々が戦争を経験してきているということを考えればある種、それを許されない行為とは言い切れないと思う」「しかし、直接的な死の危険から逃れようとしているのは誰しもが同じであり、誰もが脱出する権利を持っているとも思う」と複雑な心境を語る。

19歳のインド人留学生、ナジーシュ・エーテシャム氏もまた、ルーマニアとの国境での関係者らの対応を語っている。彼は「これを人種差別というのかどうかはわからないが、国境関係者たちはウクライナ人に比べ、外国人らに対し厳しい対応をしていたと思う。私たちに出される出国許可の数はウクライナ人よりも少なかった」と語った。

Translated by Kazuhiro Ouchi

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