ウクライナに留学中の学生らが語った国境地点での人種差別

AP Photo/Pavlo Palamarchuk

国連難民高等弁務官事務所(UNFCR)に発表によると、2022年2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、66万人以上の人々がウクライナを脱出している。その中には、ウクライナにて高等教育や医療教育を受けるために留学していた数千人の学生が含まれている。現在判明している中では少なくとも2人、インドとアルジェリアからの留学生がハリコフ市街への爆撃に巻き込まれ死亡した。こうした状況の中、ウクライナの西側国境を目指す人々が増えるにつれ、ソーシャルメディア上に投稿される国境検問所の関係者による人種差別的な対応の報告数も激増しているようだ。

検問所では、誰に国境をまたぐ権利を与えるかを決めるため、訪れた人々を人種により区別しており、あるTwitterユーザーの投稿では、ウクライナ人の避難民を他の難民に優先して避難させるためだとされている。しかしソーシャルメディア上には、アフリカ系の人々がウクライナ国内の列車の駅でホームに取り残されている様子や、発射寸前の列車に乗車を拒否されている様子、アフリカ系とインド系の留学生らがポーランドとの国境にて銃で脅されたり、殴られている様子などを収めた映像が多く投稿され、注目を集めている。アメリカで公民権に関するケースを専門に検察官を務めているベン・クランプ検事がシェアした映像では、乳幼児を腕に抱えた黒人女性が、ポーランドとの国境でシェルター内への避難を拒否され、大勢の黒人たちと路上に取り残されている様子が窺える。ナイジェリアからの留学生はBBCの取材に対し「あなたが黒人なら、歩くしかない」と国境職員に告げられたことを語った。彼女はハンガリーへの脱出に成功したが「もしあなたの肌が暗い色ならば、あなたは不利な状況にある」と述べた。

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Translated by Kazuhiro Ouchi

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