Broken Kangarooが語る、“架空のサントラ”からスタートした生きるための音楽制作

―その後、ソロプロジェクト「Broken Kangaroo」として、学校も辞めて音楽に専念するようになったわけですか。

Daimeiがアメリカに行って、1人で音楽をやろうと思ったときに同時に高校生になったんです。でも高校って人数が一気に増えちゃって。僕は集団が苦手なので、たくさん自分が知らない人がいる空間で音楽をやる自信が持てなかったんです。それで、しばらく音楽活動は休んでいたんです。でもやっぱり音楽をやりたいし、だったら高校を辞めちゃおうと思って、音楽に専念するようになりました。

―まわりにはなんて話したんですか?

学校の子には何も話していないですし、今でもほとんどの子は知らないと思います。親は、僕が結構ギリギリの状態で学校に行っていたのを知っていたので、「辞めてもいいんだよ」って、ちゃんと話を聞いてくれて道を提示してくれたんです。そのことは本当に今でもとても感謝しています。

―そこからDTMで音楽を作り出して今に至るということですね。

DTMのことで言うと、ここも中1の“サブスク事変”に続く、第2の大きなできごとで(笑)。MacBookを手に入れて、「Logic Pro」(音楽制作ソフト)を始めたことで、一気に音楽の世界が広がりました。今まではバンドの生音で構築されているサウンドを頭の中でイメージしていたんですけど、DTMを手にした瞬間、「何をやってもいいんだ」という自由な感覚が心地良くて。打ち込みから生音を録音するもよし、バンドサウンドだけどそこに洋楽的な音を入れてみようとか。料理をする感じで、鍋にいろんな具材を入れてグツグツ煮て、「美味しくなるかな?」みたいな感覚で、すごく楽しかったです。

―限りなく自由な分だけ、迷ったりすることもあるんじゃないかと思うんです。そういうときなどに参考にするリファレンスはあったんですか?

作曲というのは、選択の連続だと思っていて。A or BならB、その次はB or C、という感じで、その度に自分が良いと思った選択をしていく曲づくりの仕方をしていて。だから誰かを参考にするというよりも、最初は自分が良いと思うものを作ろうと思っていました。今はめっちゃいろんな人を参考にしていますけど。ミックスに関しても、曲によってリファレンスも変わりますし、本当にバラバラですね。

Rolling Stone Japan 編集部

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