映秀。が語る20歳の新境地「感動できる曲を作るには、素直な歌詞が大切だと気づいた」

 
「えにし」への大きな感謝

そして、この曲にはもう一つ、ファンであれば必ず気づく重要なポイントがある。映秀。の「。」とは彼を支える仲間やファンを表すもので、本人は「。」を「えにし」と呼んでいる。つまり、BTSにおける「ARMY」と同じように、「えにし」とは映秀。ファンを指す名称で、それをそのまま曲名に掲げたのが「縁」というわけだ。そのことを踏まえると、“僕の事を信じてくれて ありがとう”という歌詞も意味合いが変わってくる。

自分の音楽を愛するファンに感謝を伝えたラブレター。そんな曲を作ろうと考えたのは、先述したワンマンツアーで感動的な発見があったからだった。

「それまでは大きな繋がりとして『えにし』を感じていたけど、ライヴを経験したことで、一人ひとりが応援してくれてるのを初めて実感できたんです。だから、今までは『みんな』に向けて歌ってきたけど、今回は『あなた』に向けた曲を作ろうと思って。“自信折れてしまっても/涙焼かれてしまっても/君だけは信じてくれた”と恥ずかしいくらいシンプルに歌ったのも、僕の音楽を信じてくれた人に対して、ストレートに想いを伝えたいと思ったから。クネクネ回りくどく言うのも失礼だと思って(笑)」

「縁」にも“意味のない事に意味を見つけ/僕らだけの名前を付けよう”という一節があるように、映秀。の音楽活動には「人のきっかけになりたい」という一貫したテーマがある。それまで当たり前だと思い込んできたことを、ふと立ち止まって考え直すきっかけを与えるーーそんな音楽を作るのが彼の目標だった。ところが、「縁」ではその立場が逆転している。ネットの弾き語り動画をきっかけにデビューした映秀。は、ツアーを通じて「生」の楽しさを知り、フロアに集った“えにし”から「きっかけ」を与えられた。その経験を通じて、彼は多くを学んだようだ。

「“不幸続きが止まぬなら/びしょ濡れになるまで付き合うよ”というくだりで、最初は『傘をさしてあげるよ』みたいなことを書こうと思ったんです。でも、自分はそういうスタイルではないよなって(笑)。それよりも一緒に迷って、一緒にびしょ濡れになって……。これまでは『僕はこう生きてるよ、みんなはどうする?』ということを歌ってきたけど、こんな映秀。がいてもいいのかなって」

これから出会う人も、これまで愛してきた人も、「縁」を聴くと映秀。をより身近に感じられるようになるはずだ。大人になる節目を迎えて、彼はまた変わろうとしている。どんな20代を歩んでいくのか、これからも目が離せない。




映秀。
「縁」
配信サイト一覧:https://Eisyu.lnk.to/Enishi

映秀。「縁」リリース記念YouTube生配信
3月17日(木)20時〜
トーク&プレミアライブ映像公開
https://youtu.be/5JyHGzsX5-g

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