歌うだけのガールズ・バンド mzsrzが語る、5人を繋ぐ「歌声」という絆

作山由衣(以下・作山):mzsrzは、この1年間の活動で表現力の幅が広がったなと思っています。最初の2曲、1st シングル「夜明け」と2nd シングル「ノイズキャンセリング」までは、内気な普通の5人の女の子として、内側に自分の気持ちを引っ込めて、その中で葛藤とか不安とかを叫ぶような歌のアプローチだったんです。ただ、3rdシングルの『アンバランス』からちょっと自分の考えを外に主張するような、内側だけじゃなくて外側にも発信していく歌の表現を求められるようになって。そこからはみんなどんどん、自分の考えを外に出すとか、殻を破って歌で表現することができるようになったと思うんです。そこは本当にみんなのことを尊敬していますし、自分も恥ずかしさとか怖さを全部吹っ切って歌えるようになれたかなと思います。



大原きらり(以下・大原):デビューするまでは、人に聴かせることを意識せずに、自分のためにカラオケとかで歌っていました。でもデビューしてからは、まだ私たちのことを見ず知らずでこれから聴いて下さる方、もう聴いてくださっている方、いろんな方たちのために、この5人の多様声があるんだなって感じるようになりました。そのためには今のままじゃいけないので、個人の活動で頑張っているTikTokとかで、最新の歌い方、流行の歌い方とかを分析して取り入れて、尚且つ自分の歌声の強みを極めていくようにしています。「自分のために」から「人のために」って、気持ちがシフトチェンジできるようになりました。


大原きらり


よせい:私の中の変化としては、mzsrzの楽曲をこういう表現、伝え方で発信していくんだっていう中で、音楽に対する視野が広がりました。その音楽を伝えていくにあたって、言動も自分でしっかり責任を持つようにしないといけないということは、この1年間で感じたことですね。グループで活動しているので、自分の発する言葉とか行動でグループの印象も変わってくると思うんです。それは、みんなで1つになって、音楽を作って行く上でとても大事だなと思いました。

―「しっかり責任感をもってやろう」みたいな話って、5人でしたりするんですか?

全員:……あまり、しないですね(笑)。

―そうですか(笑)。1人ひとりが自覚を持っているということですね。ちなみに、リーダーの方っていらっしゃるんですか?

よせい:いや、mzsrzは5人の“多様声”を持ったグループとして、リーダーやセンターという立ち位置はないんです。

―踊らない"歌うだけのガールズ・バンド“というキャッチフレーズがあります。これは歌声が最大の武器ということだと思うんですが、みなさんの中ではどう捉えていますか。

作山:ダンスってもともと振付が決まっているじゃないですか? 私たちは、今の自分たちの感情とかを等身大で届けることをテーマとして活動しているので、作られたダンスを踊るとかではなくて、歌いながら、その時々で歌の表現がどんどん変わっていくのがmzsrzだと思っています。そういった、決められた振り付けやダンスという表現ではない、自然な表現で音楽を届けたいと思っています。

Rolling Stone Japan 編集部

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