歌うだけのガールズ・バンド mzsrzが語る、5人を繋ぐ「歌声」という絆

―1stアルバムのタイトルは『現在地未明』。これはどんな意味で付けられたタイトルなのか教えてもらえますか?

作山:このタイトルは、「未明」という言葉がついている通り、夜がまだ明けきらないという意味を持っていて。今自分がどこにいるのかわからないという焦燥や不安を歌っているんです。そういう気持ちを特に10代の思春期の子たちはすごく感じていると思いますし、私たちも10代で……。

よせい:(挙手して)あ、1人20代になりました (笑)。お姉さんです。

作山:お姉さんもいるんですけど(笑)、10代の少女として、不特定多数じゃない、誰かに一人一人に寄り添うようなミクロな感情“micro music(ミクロ・ミュージック)”を届けることを大切にしているので、焦燥とか不安とかに寄り添うような楽曲とか自分たちの叫びとかを詰め込んだアルバムという意味で『現在地未明』というタイトルになっています。



―アルバムの10曲で、それぞれが思い入れのある曲や、聴いて欲しいところを教えてください。

ゆゆん:私は「パンデモニウム」という曲を聴いて欲しいです。このアルバムの中でも、ダークな表情をした私たちを見ることができる曲です。mzsrzらしい楽曲というのが、「フェーダー」とか「Repeat」とか、ちょっとゆったりした透明感のある曲だと思うんですけど、「パンデモニウム」はそういう楽曲とは真逆なんです。自分の中での解釈なんですけど、苦手な相手への皮肉を 〈ノイズ様〉っていう歌詞で煽りのように歌っているのかなと思います。それと、この曲を通じて自分の中の表現力がすごく上がったと思っていて。私が憧れているアーティストの1人がAdoさんなんですけど、歌い方を参考にして良い感じで歌えたなと思っています。あと、〈同情するわ〉っていう歌詞があるんですけど、そこの部分も語りのような表現をできたので、個人的にすごく満足している楽曲です。

実果:私は「パントマイム」です。この曲は誰か1人がソロで歌っているのに対して、他の4人が声をかけるような構図が続くんですけど、できた音源を聴いたときに「なんだこの透明感!」って思ったんです。4人の声が合わさっても透明感があるし、1人1人が歌っても透明感があるメロディなんですけど、歌詞は〈触んないでよ〉とか強めなんです。カッコイイ感じ、繊細な感じもありつつ、いろんなmzsrzが見ることができる曲だと思いますので、とにかく聴いて欲しいです。

作山:私は「エコー」です。mzsrzの楽曲は、繊細な歌詞やメロディが多いんですが、「エコー」は、その中でも明るい曲調なんです。とくに(実際に口ずさみながら)〈聞かせてよ Woah〉という部分など、ライブでコール&レスポンスをできる楽曲だと思っていて、隣にいて寄り添って応援するような楽曲として、アルバムの中ではちょっと違った曲なのでおすすめです。



Rolling Stone Japan 編集部

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