原田知世が語る「若さ」にとらわれない生き方、「守ってあげたい」を50代に歌い直す意味

原田知世(Photo by 大辻隆広)

 
今年デビュー40周年を迎える原田知世が、それを記念したアルバム『fruitful days』をリリースする。

カバーアルバムを除くと前作『L’Heure Bleue』からおよそ3年半ぶりとなる本作は、作曲陣に鈴木慶一や辻村豪文(キセル)らおなじみの顔ぶれに加え、川谷絵音(indigo la End、ゲスの極み乙女。など)や綱守将平が参加。地声とファルセットを行き来する美しいメロディが、原田の新たな魅力を引き出している。プロデューサーはもちろん、かれこれ15年来の付き合いとなる伊藤ゴロー。高橋久美子(元チャットモンチー)とのタッグにより書き下ろしの新曲も提供している。

デビュー以来、常に新しいことに挑戦し文字どおり「実りある日々」を噛み締めているという原田。その変わらぬ好奇心や、変化していくことを恐れぬバイタリティは一体どこから湧いてくるのだろうか。今年54歳を迎える彼女に、人生で大切にしていることを聞いた。


─まずはアルバムタイトル『fruitful days』に込めた想いをきかせてもらえますか?

原田:40周年の記念アルバムなので、それを感じさせる言葉がいいなと思っていたのですが、振り返ってみればこれまでたくさんの実り多い時間をいただいてきたので、「fruitful(実りある)」という言葉を見つけて「これだ」と。「実りある日々」という言葉は、今の自分の心境にぴったりですし、「フルートフル」という響きも可愛らしいなと。意外とこれまで聞いたことのない言葉でもありますよね。

─確かにそうですね。

原田:「実り」って、すぐに与えられるものではなく、時間をかけてようやく実ることが多いと思いますし、それは音楽をやっていても感じます。

─プロデューサーの伊藤ゴローさんとは、2007年のアルバム『music & me』からのお付き合いになります。

原田:そうですね。その前にゴローさんのアルバムで1曲歌わせてもらったのが最初の出会いでしたが、それもその頃ですから。15年経ちましたか、早いですね。ここまで長いお付き合いになるとは、当時は思っていなかったですけれども。

─ゴローさんのどんなところに惹かれて、ずっと一緒に制作を続けてこられたのでしょうか。

原田:生活と音楽が、ゴローさんはすごく近い人なんですよね。私もそういう音楽作りをしたいなと思っていた時にゴローさんと出会い、1作目の『music & me』を一緒に作りました。その後、「on-doc.」という、2人だけでやる歌と朗読のイベントを開催したのですが、それも振り返るといい時間だったと思います。カフェや教会、旅館など本当に様々なところで、私とゴローさんと、私のマネージャーの3人だけで旅をして。現地にいらっしゃるスタッフの方たちにセッティングなど手伝ってもらいながら全国をまわりました。

ギター1本と歌だけという、2人の助け合いしかない状況の中で歌ったことは、すごくいい学びにもなったし、フットワーク軽く場所を決めて、ふらりと出かけて行って演奏するという経験も自分にとっては新鮮でした。一つひとつが積み重なって、大きな信頼になってきたのかなと。本当にそれは感謝しかないです。

─ずっと一緒に制作をしていて、マンネリに陥ってしまうことなどはなかったですか?

原田:ゴローさんと一緒にやっていて飽きないのは、お互い常に「同じことはやらない」という姿勢でいられるからです。私も女優の仕事をやりながら音楽をやる。ゴローさんも他のプロジェクトを手掛けながら、私とも作品を作る。そうすると、常にいい距離感と緊張感を保っていられるんです。それもきっと、長くやってこられた要因の一つなのかなと。アルバムを作り終えるたび、「今回が一番よかったよね!」と二人で言い合えるのはすごく幸せなことです。

─それはきっと、音楽制作に限らず全ての人間関係にも言えることなのかもしれないですね。相手に依存するのではなく、ちゃんと自分のフィールドを持っているからこそ、一緒にいる時にお互いに刺激を与え合ったり、楽しみを分かち合ったりできるのかなと。

原田:ええ、そう思います。

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