サンダーキャット×フライング・ロータス対談 創造力が育んできた2人の絆

サンダーキャット、フライング・ロータス(Photo by Samuel Trotter for Rolling Stone)

8月18日(金)に幕張メッセで開催されるソニックマニアで、サンダーキャットとフライング・ロータスが揃って再来日。それを記念して、米ローリングストーン誌の名物企画「Musicians on Musicians」で実現した両者の対談企画をお届けする。


フライング・ロータスとサンダーキャットは、2人の関係がかけがえのないものであることを自覚している。常に時代の先を行くプロデューサーのスティーヴン・エリソンと、エキセントリックなシンガーにして超絶ベーシストのスティーヴン・ブルーナーの創造的なパートナーシップは10年以上に渡って続いており、2人は時代を決定づける作品を多く生み出してきた。その中にはケンドリック・ラマーの『To Pimp a Butterfly』(両者ともに参加)、フライング・ロータスが2010年に発表した目の眩むようなビートコラージュのマスターピース『Cosmogramma』、そのフライローがプロデュースしたサンダーキャットの2020年作で、グラミー賞を受賞したプログレッシブ・ファンクの一大叙事詩『It Is What It Is』(4枚目のソロアルバムとなる本作を含め、全アルバムがエリソンのレーベルBrainfeederから発表)が含まれる。これらにとどまらない様々な活動を通じて、2人はアーティストとして確固たる地位を確立したが、彼らの関係は以前とほとんど変わっていないという。

「どれだけブランクがあっても、いざ会うと久々っていう感覚がまるでしないんだよな」。エリソンはブルーナーとのビデオ通話でそう話す。「俺はいつも何か作ってるし、お前はあちこちでベースを弾いてる。あっという間に時間が過ぎてく感じさ。また何か一緒に作るべきだって、常に誰かから念押しされてる。でも結局のところ、俺たちは分かってるしな」

「あぁ、分かってる」。ブルーナーも同意する。「僕らは知ってる。みんな僕らのことを知ってるつもりだけど、実は何も分かっちゃいない」

「確かに分かってないよな」。エリソンがそう返すと、2人は爆笑した。

パンデミックの最中にフォーカスを保つ方法(エリソンはキーボード、ブルーナーはボクシングの本格的な訓練による養生法を実践していた)、非現実的な「ソファーでのグラミー」、そして2人が音楽的ソウルメイト同士だと悟った瞬間について、気心の知れた2人が語ってくれた。

Translated by Masaaki Yoshida

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