第64回グラミー賞、絶対に知っておくべき6つのポイント

4月4日(日本時間)に米ラスベガスで第64回グラミー賞の授賞式が開催される。

第64回グラミー賞の授賞式が、4月4日(日本時間)に米ラスベガスで開催される。グラミー賞は米音楽界で最も権威ある賞であり、「年間最優秀レコード」「年間最優秀アルバム」「年間最優秀楽曲」「最優秀新人賞」の主要4部門をはじめとする賞レースの行方に加えて、大物アーティストのパフォーマンスや、夢のコラボも気になるところ。注目しておくべきポイントを、ライター・辰巳JUNKに解説してもらった。

また、今回ニュースアプリ「SmartNews」のグラミー賞記念企画では、授賞式当日にパフォーマンスをするアーティストも多数含まれている【ノミネートアーティストの限定グッズが当たる!毎日抽選プレゼント企画】も実施される(4/4 11:00〜)。グラミー賞発表と合わせてチェックしてみよう。


1. 新時代のポピュラーミュージック

第64回グラミー賞のひとつの特徴は「新時代のポピュラー音楽」だ。もっとも注目が集まる主要四部門レースには、シーンを開拓していっている若きポップスターが揃っている。

「最大の権威」とされる最優秀アルバム部門からして、最有力候補は19歳と20歳となっている。まず、思春期の失恋を歌ったデビュー作『SOUR』が記録級ヒットとなった2003年生まれのオリヴィア・ロドリゴ。アラニス・モリセットから影響を受けた赤裸々な歌詞とロック調サウンドは、今や女子歌手のあいだで一大流行となっている。ティーンにして主要四部門の制覇も予想される彼女だが、競合には、2年前にその偉業を果たしたビリー・アイリッシュの存在がある。若きスターとしての苦悩を経た2nd『Happier Than Ever』は、フランク・シナトラなどのジャズを参照。エモーショナルな「若さ」を歌ったオリヴィアに対し、アーティストとして「成長」を示す大人のレコードと言える仕上がりだ。

既存の境界線を超えるカリスマたちも華やかだ。1994年生まれのリル・ナズ・Xは、同性愛嫌悪が根づよいヒップホップコミュニティ出身のオープンリィ・ゲイとしてクィア表現をつづける「革命家」。ポップ色を強めたデビューアルバム『MONTERO』によって主要三部門すべてに候補入りしたが、ナンバーワンヒット「MONTERO (Call Me By Your Name)」は、セクシャリティゆえに地獄に落とされる物語をユーモラスに演じるMVが大きな話題となったため、最優秀ミュージックビデオ部門の受賞も期待される。

ラップ全盛がつづくアメリカの「ポピュラーミュージック」を象徴する存在は、ラップと歌唱を柔軟に行き来するドージャ・キャットだろう。最優秀レコード、ソング部門にノミネートされたSZAとのコラボ曲「Kiss Me More」をロングヒットさせた彼女は、複数の女性スターが台頭する2020年代のUSラップ/R&Bシーンをも映している。


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2. 成熟のシンガーソングライターたち

スタジオミュージシャンの会員が多いグラミー賞は、楽曲制作と演奏の品質を重視する傾向があるため、成熟したスキルを持つノミニーも多くなる。スーパースターとしては、ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークのデュオ、シルク・ソニックがあがる。甘美な70年代ソウルを再解釈した「Leave the Door Open」は、バックバンドを含むクオリティにより、最優秀レコード、楽曲賞部門の有力候補だ。

複数回司会をつとめた「グラミー賞のゴッドマザー」アリシア・キーズも、今回はノミニーの立場だ。女性制作者たちによって作られたブランディ・カーライルと共演した最優秀ソング部門候補作「A Beautiful Noise」は、投票率向上、参政権の尊さを歌っている。日本でも響くはずだ。

知名度を一気に上げたのは、最多11部門ノミニーとなったジョン・バティステだろう。R&Bソウルやジャズをまたぐ8thアルバム『WE ARE』に加えて、ピクサー映画『ソウルフル・ワールド』音楽制作者としてもサウンドトラック部門候補に入った。同映画によってアカデミー作曲賞を受賞済みのジョンは、栄光に輝けば、H.E.R.と並ぶ「EGOT(米国エンタメ四大アワード)」制覇に近いミュージシャンとなるだろう。



3. 日本とゆかり?なスーパースター

ABBAからテイラー・スウィフトまで、おなじみのスーパースターも主要部門に名を連ねている。なかには、日本と関連するビッグネームも。

まず、英国でのパンデミック制限緩和後に放たれたアップチューン「Bad Habits」が最優秀ソング部門候補となったエド・シーラン。爽やかなラブソング「Overpass Graffiti」ミュージックビデオでは、日本人歌手MARINAによる「Shape Of You」カバー歌唱が挿入されたことも話題を呼んだ。

進化をつづけるジャスティン・ビーバーも注目株だ。前作『Changes』がグラミー賞のポップ部門候補となった際「このアルバムはR&B」だと反論した彼だが、今回の『Justice』では、主要、ポップカテゴリのみならず、ダニエル・カーサー、ギヴィオンとファンクグルーブを奏でる「Peaches」によってR&Bパフォーマンス賞のノミネーションを果たした。そんなジャスティンは、2022年11月の日本公演も決定している。

最優秀新人賞のみならず『Justice』参加者としてアルバム部門候補に入ったザ・キッド・ラロイも、日本アニメ的アートワークでファンを増やしてきたラッパーだ。ジャスティンとの大ヒットコラボ「STAY」には、日本の人気漫画『東京卍リベンジャーズ』とコラボした特別ビデオも存在する。



4. 多様な最優秀新人賞

次世代を示す最優秀新人賞は、多様な選定が話題になった。サプライズとなったパキスタン出身のアルージ・アフタブ、レディオヘッドに影響された詩情でクィア・アンセムを紡ぐ英国人アーロ・パークス、韓国系アメリカ人としてルーツをつづるエッセイがベストセラーになったジャパニーズ・ブレックファストと、女性シンガーソングライターが目立つ。

チャートヒット系では、前出ザ・キッド・ラロイほか、アジア系ルーツを持つオリヴィア・ロドリゴにラッパーのスウィーティー、ケンドリック・ラマーを従兄弟に持つベイビー・キーム、黒人カントリー歌手のジミー・アレンが候補入り。もちろん「Heat Waves」が大ヒットしたグラス・アニマルズにビリー・アイリッシュの兄であるフィニアスと、ロック音楽とも近しいアクトも見逃せない。


5. サブカテゴリ:壮大ドラマのポップ・デュオ部門

日本、ひいては世界各国で注目されるサブカテゴリは、BTSが候補となった最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞であろう。この部門は、壮大なドラマを展開するカテゴリでもある。

ディスコポップ「Butter」にてノミネートされたBTSの軌跡は、ドラマにあふれている。「アジア系はスターになれない」と言われていた米国シーンでも、彼らは数々の不可能を可能であると証明してきた。韓国グループとしての初受賞が叶えば、その偉業がまた一つ増えることになる。

BTSが「My Universe」にてコラボしたコールドプレイも、前向きに進み続けるシンセポップ「Higher Power」にて当部門にノミネートされている。メンバーのSUGAが愛聴してきたという大先輩バンドだが、アイドル(憧れの人)がライバルになって立ちはだかる大舞台もまた、グラミー賞と言えよう。

そんな彼らに対峙するのは、主要部門獲得も有力視されているトニー・ベネット&レディー・ガガ。95歳のジャズ歌手トニーは、アルツハイマー病を告白しており、昨年ガガとのコンサートでステージを引退した。圧倒的な敬意を集めるレジェンドが受賞すれば、音楽界内外で感動を呼ぶはずだ。

ほかにも、セイント・ヴィンセントやホールジーなど、女性やノンバイナリーで占められたオルタナティブ・ミュージック・アルバム部門、タイラー・ザ・クリエイターやJコールなどスーパースターの高評価作品が並ぶラップ・アルバム部門など、見逃せないサブカテゴリが盛りだくさんだ。

6. 豪華パフォーマンス

もちろん、授賞式といえば、グラミー賞でしか見られない豪華ステージの数々。BTSやオリヴィア、ビリー、リル・ナズ・Xの出演が決定しているほか、ミュージカル界の伝説スティーヴン・ソンドハイム追悼パフォーマンスとして、映画『ウエスト・サイド・ストーリー』レイチェル・ゼグラーらスター俳優の歌唱も決定している。受賞結果がどうあれ、特別な一夜になることは間違いない。


グラミー賞発表記念!豪華ノミネート・アーティストグッズ、SmartNews限定、抽選プレゼント!4/4(月)11:00〜毎日抽選実施中!

第64回グラミー賞発表・記念企画として、ニュースアプリ「SmartNews」内音楽チャンネルにて、ワーナーミュージックジャパン、ユニバーサルミュージックジャパン、ソニーミュージックジャパンの3社企画での大型プレゼントキャンペーンが実施される。2022年4月4日(月)11:00〜4月13日(水)23:59までの期間中、毎日1名様以上に豪華ノミネートアーティストグッズが毎日抽選で当たる。レアなアーティストグッズを是非ゲットしよう。

【開催期間】
2022/4/4(月)11:00 〜4/13(水)23:59

【エントリー方法】



【対象者】
・日本国内に在住で、当選商品の宅配での受け取りが可能な方。
・SmartNewsアプリダウンロード、「音楽チャンネル」登録が正しく完了されている方。

詳しい内容はこちらから>>https://grammy.smartnews-present.jp


提供:スマートニュース株式会社

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