爪切男とアセロラ4000、作家2人が語る「一番スゲェのがプロレス」な理由

―団体も増えてるし、情報もインターネットで見れるような状況の中で、どうやってプロレスを見ていけばいいのかわからないので、オススメを教えてほしいなと思っていて。

爪:確かに多いですよね。俺の周りだと学生プロレスを見ている人も多いんです。下品で最高ですよ。プロにかぎらなくても、面白いことやっている団体は多くて。俺の地元の香川県の「UDONプロレス」みたいなローカルプロレス団体も盛んですよね。

―注目している団体や選手がいたら教えてもらえますか?

アセロラ:自分から言わせていただくと、スターダムがオススメです。私は80年代の全日本女子プロレスも観ていてクラッシュギャルズのLPレコードを買ったりしていたんですけど、私と同世代の人には、女子プロレスと男のプロレスを比較するような人もいると思うんです。でも、プロレスに男だからとか女だからとか関係ないですよ。特にスターダムは技の精度とか試合のクオリティが高くて、自分たちができないことをやっているという意味で、昔からのプロレスラーと変わらないと思うし、その中でもずっとアップデートされてると思います。コスチュームが派手だったり、試合の見せ方が面白いとかの変化もありますけど、昨年は昔の長与千種対ダンプ松本のような髪切りマッチをやったりとか、過去の全女がやってたようなことも間違いなく継承していると思います。それと、選手のビジュアルを見てファンになることもあると思うので、まずプロレスラーのSNSを見ていく中で、推しを見つけると入ってきやすいんじゃないかなって。それは新日本もそうなんですけど、「この人すごくかっこいい」とか、「すごく飛び跳ねて面白い」とか。発言が面白いことで注目される選手もいると思いますし、Twitterとかを見ていると自然と目に飛び込んでくるプロレスラーはいるんじゃないかなと思います。

―アセロラさんの推しは?

アセロラ:スターダムの舞華選手です。元柔道家なのでアスリートとしての実力を持っていて、凛々しくてかっこよくて、お顔立ちも綺麗なんですよ。得意技のひとつがオーソドックスなブレーンバスターなんですけど、あれだけ古典的な技一発で会場を沸かせるのは本当にすごいですし、昭和からのプロレスファンとしては嬉しいです。ひめか選手、なつぽい選手とのタッグチーム「まいひめぽい」も好きですけど、今年はシングルプレイヤーとして「シンデレラトーナメント」や「5★STAR GP」優勝や、ベルトも獲ってほしいですね。それともう1人、スターライトキッド選手も推しています。キッド選手はヒールターンして大ブレイクした感がありますし、コロナ禍のスターダムを牽引してきた功労者ですよね?

爪:キッド選手をはじめ、魅力のあるレスラーはみんなSNSでの発信方法を工夫している気がします。スターダムの選手たちはそこも頑張ってる印象が強いですね。スターダムの今の勢いは男女問わず業界ナンバーワンじゃないですかね。

アセロラ:他団体だと、ラム会長。去年の大晦日に初めて試合を見たんですけど、前半はオーソドックスなレスリングを見せて、途中で中指立ててうえーいって、試合運びとか見せ方がすごく上手いと思いました。

爪:キッズレスラーのはしりだった会長がいまやベテランの風格ですもんね。会長はツイキャスも楽しいです。プロレスをずっと続けてくれて本当にありがとうという気持ちです。ラム会長と怨霊さんが所属する暗黒プロレス組織666も是非。

アセロラ:ラム会長は非現実的な世界の住人って感じがするし、注目ですね。

爪:プロレスに何か偏見を持っている人ほど、プロレスを見てほしいかもしれないですね。俺、道頓堀劇場によくストリップを見に行くんですけど、ストリップってエロ要素が全てじゃないんです。純粋にダンスの素晴らしさとか、踊り子さんの人生が垣間見えるショーの構成に感動しちゃうんですよね。同じというとどちらにも失礼かもしてませんが、それに近いことがプロレスでも起きるような気がするんです。偏見の中にこそ人生を変えるヒントがあるかもしれない。もしハマらなかったときはおとなしく離れてください(笑)。

Rolling Stone Japan 編集部

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