「神使轟く、激情の如く。」が理想を叫び続け、デビュー4年で叶えた初武道館公演

二日よいこが「東京に出てきたとき、都会は冷たいところだよって言われた。けど、この場所で生きていて思う。全然そんなことねえじゃん!って。冷たいとか言っているやつらって、ライブハウスのことを知らないだけじゃないの、うちらのこと知らねえだけなんじゃねえの、って思う。東京は夢を追うやつで溢れている最高の場所だって。この6人の熱が、お前に届くまで、君に届くまで、この場所から叫ぶ」と語り、ジャジーな雰囲気からヘヴィなサウンドへ展開する「神奏曲:アブソルートゼロ」、8bit調のデジタルサウンドとメタルサウンドの融合した「オキシバギー」を爆音とともに歌った。



コロナ禍で声が出せないこともあり、メンバーが先導し拍手でコール&レスポンスを行うと、「今日ここにきてくださって本当にありがとうございます」と感謝を伝えた。「ここにきたからには後悔したくないから、全部、全部、ここに置いていきます」と、続けてメロディアスで疾走感あるポップソング「夏声蝉時雨」へ。サビではタオル回しのようにサイリウムを回して観客は盛り上がりを見せた。

「この時世、うちらみたいな暑苦しいやつらがいてもいいと思うんですよ。たった一回きりの人生。どうせなら好きな人のために、君のために鳴らせ」と二日よいこが語ると、シャウトと激しいドラムサウンドで空間が埋め尽くされる「神奏曲:インフェルノ」へ。音の装飾が少なく、歌詞とメンバーの歌声がダイレクトに伝わってくる「生まれ変わっても自分になりたい」では、生牡蠣いもこが「過去があったから今がある。陰キャだったし、教室の隅にいるタイプだったから、諦めてきた。でもそんな過去があったから今の私がいる。神使轟く、激情の如く。がある。私は生まれ変わっても自分になりたい。これは1人じゃ思えなかった。君たちがいてくれたから。神激以外の人生なんて考えられない。君が教えてくれたからできた曲。いつか、いつか生まれかわるとしたら」と熱い想いを載せて歌い切った。



エヴァが「普通に考えて大人になってから夢を追いかけるのは遅いし、叶うはずないって言われた。そんな誰かの普通を信じなくてよかったって思うよ。女の子なんだからもっと普通の格好しとけばいい、って何度も言われてきた。大人のくせに、女のくせに、男のくせに。そんな枠に嵌めたがる。そんな枠に当てはまる必要ないって、いまなら補償してやれる。それでも誰かの言ったそんな言葉に引きずられそうになったとき、大きな壁に感じてしまったとき、どうかこの曲を、この場所を思い出してほしい。誰かの言う普通なんて、常識なんて、俺らがいつだってこの曲で、この音でぶっ壊してやるから」と「神奏曲:ガイア」へ。実久里ことのが「ライブはいつだって私と君の一対一です。愛する君と2人で生きた証を、この日本武道館という場所に刻んでいこう」と語り、ストレートでメロディアスなギターロック「喪失のカタルシス」を6人のユニゾンしたダンスとしなやかなダンスでじっくり聴かせた。

「せっかくの武道館なので、待っているやつがあるんじゃない?」とTiNAが実久里ことのへ振ると、SNSでおこなっている「じっくり妄想」を披露。妄想相手にいざ告白しようとした瞬間、「お時間になります!」とTiNAに突っ込まれ、「とびっきりのデザートをお届けしたいと思います!」と、「BAD CAKE」へ。アカペラで二日よいこが、「うちらの人生そのまま音にした。今日の景色もまた音にしよう。そうやって一個一個……」と語るパートとともに歌い切った。

Rolling Stone Japan 編集部

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