グラミー賞プロデューサーがBTSのパフォーマンスに感動した理由

現地時間2022年4月3日に米ラスベガスで開催された第64回グラミー賞授賞式にて「Butter」を披露するBTS(Photo by Chris Pizzello/Invision/AP)

米グラミー賞授賞式プロデューサーのベン・ウィンストンとラージ・カプールが、ローリングストーン誌のポッドキャスト番組『Rolling Stone Music Now』の最新エピソードで授賞式の舞台裏を明かした。

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・BTSのメンバー全員がリハーサルに臨むことができたのは、授賞式の前日だった。

「BTSは出席できないかもしれない、と不安になった瞬間もありました」とウィンストンは言う。「J-HOPEが新型コロナウイルスに感染し、隔離されていました。授賞式前日の土曜日まで飛行機の搭乗許可がおりませんでした。JUNGKOOKはラスベガスに入っていましたが、陽性判定を受けていました。陰性判定が2回でない限り、授賞式に参加することは禁止されていたのです。かなり緊迫した状況でした。私たちはただただ不安で……私がBTSのパフォーマンスに強く感動した理由は——どのアーティストよりも優れていたからというわけではありません——あのレベルに到達するまで彼ら7人がどのようなことを経験しなければならなかったかを知っているからです(中略)彼らは、類いまれな才能の持ち主だと思います。彼ら一人ひとりのパフォーマンスには、毎回感銘を受けます」

・ラップのパフォーマンスが少なかったという批判。

「ヒップホップのパフォーマンスがもう少し多ければよかったのですが」とウィンストンは言いながら、目標と定めていた昨年の授賞式のラップパフォーマンス数を引き合いに出した。「私たちは、必ずしも理想とするパフォーマンス配分を実現できるとは限りません。でも、常にそれを叶えようとしています。リル・ナズ・Xが唯一のヒップホップのパフォーマーになってしまったことは、決して意図的な判断ではありません(中略)授賞式会場をロサンゼルスからラスベガスに移したことにより、何組かのアーティストの出席が叶わなくなったのです。ご存知の通り、不測の事態というものは避けられませんから。とにかく、私たちはベストを尽くしました」

・ジャスティン・ビーバーの演奏中に自主規制音が流れたのは、ビーバー本人が歌詞にある放送禁止用語の差し替えを忘れてうっかり歌ってしまったから。

「私が思うに、ビーバーはパフォーマンスに夢中になってしまい、”shit”が放送禁止用語であることを忘れてしまったのだと思います」とウィンストンは言った。「それ以上でもそれ以下でもないと思います」

・実用的な理由から、ビリー・アイリッシュの雨の演出は本物ではない。

「最終的に、ビリーとフィニアスは濡れたくないという結論に至りました」とカプールは言う。「なぜなら、(パフォーマンス後も)彼女は席に戻って残りの夜を楽しみたかったからです。お色直しに時間をかけすぎたくなかったのです。そこで私たちは、今回の見事なデジタルエフェクトを考案しました」

・前年に亡くなったアーティストや音楽業界への貢献者を追悼するコーナーでラッパーのドレイコ・ザ・ルーラー、パーラメント・ファンカデリックのカルヴィン・サイモン、元スリップノットのジョーイ・ジョーディソンといったアーティストや昨年12月のアストロワールド・フェスティバル事故(訳注:テキサス州ヒューストンの野外音楽フェスティバルで観客がステージ前に殺到したため、9名が死亡した)の犠牲者の名前があげられなかった点についてプロデューサーたちは謝罪。

「追悼コーナーから除外ないし軽視されたと感じたすべての人に対して、私たちはお詫びの気持ちしかありません。なぜなら私たちは、ひとえに音楽を通じて人々に喜びと愛を与えるためにこの授賞式に携わっているのですから」とウィンストンは述べたものの、追悼コーナーで紹介される故人のリストを作成するのはプロデューサーではなくレコーディング・アカデミーであると指摘した。「アストロワールド・フェスティバルの犠牲者に関しては、(批判は)的を射ていると思います。私たちも何らかのことをするべきでした」

・ハーヴィー・メイソン・ジュニアがレコーディング・アカデミーの新たなトップに就任したことで手順にさまざまな変化がもたらされ、新しい制作会社が授賞式に携わることになった。プロデューサーたちはグラミー賞に不満を抱くアーティストたちに対し、すでに大きな変化が起きているというメッセージを伝えようとしている。

「ここ数年間、アーティストと直接話をする機会がありました。彼らには『グラミーは過去にあんなことやこんなことをしてきた。だから、そろそろ変わらないといけないんだ』と言われました」とウィンストンは語る。「その度に私は『その通り! だからこそ、私はいまこうしてあなたの前に(座って)いるんです。私たちはこうした変化を実現できます。過ぎたことに怒るのではなく、変化の一部になることができるのです』と伝えています」

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from Rolling Stone US

Translated by Shoko Natori

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