Novel CoreとAile The Shotaが語る、二人が共有してきた「嬉し涙」の意味

「それがあったから出会えたんだもんな」というところに着地できたのはShotaのおかげ(Novel Core)

―いろんな偶然の重なりや導きに、私も鳥肌が立ってます(笑)。てっきりCoreさんの「THANKS, ALL MY TEARS」の次を作ろうというコンセプトがもともとあって、この曲ができたのかなと思っていたんですよね。



Novel Core:きれいにハモったという感じですね。今回アートワークを『A GREAT FOOL』のジャケットと同じ配色にしていたり、前作は俺が涙を流してるジャケットで今回は涙を流してるひよこにしていたり、共通点を作っているのもその理由の1つで。前作のアルバムは、一人の人間として21年間生きる中で感じていた独りぼっち感とか、自分という存在からは絶対に逃げることができないやましさに悩んでいたこととかと、真正面から向き合って作ったアルバムだったんです。その孤独と向き合ったおかげで、今仲間と一緒に曲を作れていること、それを単純に「音楽最高だね」というテンションで迎え入れてくれるチームがあること、こうやって取材してくださる媒体さんがあること……すごいことじゃない?

Aile The Shota:本当にすごい。

Novel Core:その変化を歌いたくて。「THANKS, ALL MY TEARS」は「今まで流してきたすべての涙にありがとうって言えるようになりたいよね」という曲だったのに対して、「言えるようになったよ」というアンサーを返したかったというか。そのアンサーをするために、僕の人生にとってはShotaというピースが欠かせなかった。孤独から脱するキーでもあり、孤独だった時代を愛せるキーでもあり、「それがあったから出会えたんだもんな」というところに着地できたのはShotaのおかげ。


Photo by Maho Korogi, Hair and Make-up by Asami Harano Styling by Aile The Shota, Novel Core

Aile The Shota:『A GREAT FOOL』を作ってるときに近くにいたのも大きいよね。ミックスに立ち会ったり、「こういう曲作ったんだよね」「こういうビデオ作りたいんだよね」みたいな話とか、Coreの心の赤裸々なところまでを聞いていたから。どういう気持ちで曲を作っているのか、どうやって音楽と向き合っているのかを、直接Coreから聞いていたから距離が縮まって「HAPPY TEARS」が書けたんだと思う。この曲ができたことで、僕にとってもひとつ達成したというか、報われたと感じましたね。この曲を作れたことは僕の人生、アーティスト人生、どちらにおいてもすごく大切な瞬間だったと思います。

―Shotaさんにとっては、どういう「報い」があったと感じますか。

Aile The Shota:同じ気持ちで、同じBMSGという家の中で、こんなに近い距離の仲間とどこまでも届く可能性を持つ曲を作れたことで、仲間と一緒に音楽を作ることを大事にしている僕としては「この方向性は間違ってなかったんだな」と思えました。音楽との向き合い方を肯定してくれる曲だなと。楽曲制作において、心が通っているからこそ作れるものがあるということを、僕は大事にしたいので。

Novel Core:間違いない! 「HAPPY TEARS」をリリースして思ったことは、大好きな友達と、自分たちの人生のことをただありのまま歌って、俺たち自身が楽しんで、自分たちが救われるためや幸せになるために音楽を作った結果、それが名前も顔も知らないどこかの誰かの人生のなにかになったりする現象って、音楽の成り立ちとしてはすごく自然なことだし当たり前なことのはずだけど、今のこの時代、一番難しいことというか。

Aile The Shota:正直に作った結果、というのがどうしても難しかったりするよね。

Novel Core:音楽にも必ず権利がつきまとうし、利益が生まれる以上ビジネスにもなるし。商業としての「音楽」が昔よりも強くなった今、やりたいことをやるって、文字面以上にまじですごいこと。革命だと思う。

Aile The Shota:すごいよね。信じられないなって思う。だから「すごいことをやらせてもらえてるな」っていうのがずっとある。

Novel Core:純度100%の音楽を作ったからこそ、人に刺さる部分があると思うし。それを感じられたことが一番の収穫。究極の自己満足が誰かのなにかになっていることが美しいよね。



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