1994が語るバンド結成のルーツ、歌を活かすために制作した実験としてのEP

ーボーカルの日野さんとは社会人のバンドサークルで出会ったそうですが、一緒にやろうと思った決め手はどこにありましたか。

日野はオリジナル曲のバンドが未経験だったんですけど、初めて会ったときにサークルのみんなでカラオケに行ったらものすごく歌が上手くて。僕らは今、きのこ帝国とか羊文学に影響を受けてやっているんですけど、そっちのジャンルでやれば、彼女のトータルバランスを考えたらウケそうだなと思って、声をかけたんです。

ーそこから、2人でDTMを覚えつつ曲作りをしていったんですね。2021年3月からということはコロナ禍の真っ只中ですよね。

そうなんですよ。ライブをやることにも賛否両論があったので、DTMで曲作りをするのが一番誰の反感も買わずに、自分たちのスキルアップにもつながると思って、リモートとか直接会って話したりしながら、進めて行きました。僕は作詞と歌のメロディが作れないんですけど、日野はメロディと歌詞が作れたので、お互いができないことを補い合いながら作っていきました。最初の2曲は、日野がメロディとコードだけを持ってきて、僕がインスピレーションで組み立てていく感じで作り直したりしていました。

ーその2曲が「夜歩く」と「深呼吸」ですね。「深呼吸」もMVがありますけど、もともと映像も詳しかったんですか。

僕が、自分たちで映像を撮っているバンドが好きだったんです。詳しくはないんですけど、「夜歩く」みたいな曲だったら、カメラがブレているのもエモい感じになるかなと思って(笑)。試しに1曲撮ってみたのが最初です。



ー「深呼吸」のMVがKANA-BOON の谷口鮪さんにTwitterでつぶやかれたそうですね。そのときに1994の名が一気に広まった感じですか?

そうですね。鮪さんにリプライしたら拾ってくださって。それでKANA-BOONのファンの方やバンドをやっている方とかの目に留まってくれたみたいです。

ーその頃は、2曲以外にも曲があったのでしょうか。

いや、2曲だけです(笑)。そこでライブのオファーがめっちゃ来るようになっちゃって、「あ、ヤバい!」って焦りました。ライブは結成半年後ぐらいに下北沢 BASEMENTBARでやったんですけど、なんとか出れるようにしたくてそこで急遽3曲作ったんです。「深呼吸」を作っている段階で、仲の良かったベース(桶)とドラム(安藤嘉基)に聴いてもらってアドバイスしてもらったりしていたんですけど、改めて声をかけて加入してもらいました。

Rolling Stone Japan 編集部

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