ー1曲目の「澱み」は、通して聴いたときに「あ、これを1曲目にしたんだ」っていうインパクトがあるというか、世界観が徐々に破綻していくような印象も受けたんですけど。ははははは(笑)。EPには6曲入れようと思って作っていたんですけど、6曲目がまったくできなくて。もう何も考えずに好き勝手やって僕が目立つ曲にしちゃおうとして、「澱み」ができたんです。もともとは、「mother」を1曲目にしようと思っていたんですけど、オーケストラを入れたらものすごく壮大な曲になってしまって。これを1曲目に出したら終わりみたいになっちゃうと思ったので
(笑)、最後の曲にすることにしました。それで1曲目をどれにするかメンバーで投票したら「澱み」が一番多かったんです。1曲目のタイトルが「澱み」ってすごいですけど
(笑)。
ーその分、印象には残りますね(笑)。もともと「mother」を1曲目にしようと思っていたのは、ライブでオープニング曲にしたかったんですか?そうなんです。最初は、手嶌葵さんの「テルーの唄」(『ゲド戦記』挿入歌)みたいな曲にしたくて。最初にアカペラで始まるんですけど、すごく綺麗で大好きな曲なんですよ。どんなジャンルのアーティストと対バンで勝負しても、こういう曲を一番最初にやれば自分たちの世界観に持っていけるだろうなと思っていて。それで作ったのが「mother」なんです。
ー「mother」もそうですけど、すごく空気感を大事にした6曲だと思います。そこは日野さんの歌を最大限に活かすことを考えた結果、こうなっているんですよね。やはり歌を一番念頭に置いています。あんまり難しいことをやるのはこのバンドのやることじゃないかなと思っていて。 曲を作ることを考えたら、別に無理してリフを弾かなくても、コードだけでいいんじゃないかなって思っています。その分、ギターでもエフェクターを駆使して音作りにこだわっています。
ー「開花」は、アコースティックギターに単音のフレーズが乗ったアレンジで、EPの中では一番、金井さんのギタリストとしての志向も見える気がします。たしかにそうですね
(笑)。「開花」はもともと最後の曲にしようと思っていて、ライブの最後みたいな空気を出したかったんです。アコギのサウンドが一番ハマった感じで、全体的にも新しい風が吹くかなと思って作ってみました。
ーEPが完成して、どんなことを感じていますか。お客さんに聴いてもらったら、みんな好きな曲がバラけていて、良い意味で思っていたのとは違った反応があったんです。今はVaundyみたいな、いろんな曲を作れる人がウケていると思っていて。今後はそういう音楽ができないとダメなんじゃないかなと僕は思っているんです。そういう意味で、今回の6曲はそれぞれ違った曲が出来たと思っています。
ー多くのバンドが活動している中で、1994として今後はどんな活動を目指したいですか。1994はみんなの意見で動いているので、長い目で見たらどうなっていくかわからないですいけど、僕は一生音楽をやりたいですし、メジャーで活動することを目指していきたいです。
<リリース情報>
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